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September 14, 2005

トヨタ自動車と総選挙(小泉純一郎の背後に見えるもの)

今回の総選挙にかぎらないが、特に新自由主義の短絡的プロパガンダの背後に見え隠れするあからさまな財界の政治介入が気になった。
中日新聞の9月8日付けの記事を以下引用する。
http://www.chunichi.co.jp/05sousenkyo/050905T1005.html---------------------------------引用開始
トヨタが自民支援全開
奥田会長、中部財界に大号令

050905001
自民候補者の選挙事務所を訪れ、武部幹事長(右)にあいさつするトヨタ自動車の立花貞司専務(左)と元専務の神尾隆氏=4日、名古屋市内で

トヨタ自動車が今回の衆院選で、愛知県内の自民陣営支援に、かつてないほどアクセルを踏んでいる。労組側が民主陣営支持を打ち出すのに対し、会社側はこれまで政治姿勢を鮮明にしてこなかった。「すさまじい。国政選挙で『トヨタ』がここまで力を入れるのを初めて見た」。陣営だけでなく、中部財界の幹部も驚きを隠せない。

 名古屋駅前で4日昼に「民主王国」での自民支持を訴えた武部勤自民党幹事長がその夜、自分の秘書だった愛知1区の新人の選挙事務所を訪れた。中部電力の川口文夫社長をはじめ、地元財界幹部がそろった。トヨタ自動車の立花貞司専務や神尾隆・元専務の姿もあった。

 「トヨタの奥田碩会長からも立派な選挙にするとの言葉をいただいた」。武部幹事長のあいさつに、自民県連関係者は奥田会長の言葉を思い出していた。

 奥田会長は解散後に県連幹部と面会した際、小泉純一郎首相から「愛知でプラス3議席を図りたい」と告げられたと明かし、地元財界に「号令をかける」ことを約束。

 反応は早かった。トヨタはグループ企業を含めた役員クラスが愛知県内の各自民陣営を訪問した。一部陣営ではトヨタ本体の副社長や専務クラスが出陣式に臨んだ。選挙区内の関係会社社員に向けた労組顔負けの電話作戦が始まった所もある。

 名古屋市内の新人が2日開いた個人演説会の出席者名簿には豊田合成、日本ガイシ、中部電力、東芝…と有力企業が並んだ。陣営はうなった。「これまではゼネコンや医師会。やはりトヨタの影響はすごい…」

 創業以来、政治とは一定の距離を置いてきたトヨタ。しかし、公示前日の8月29日、奥田会長がトップを務める日本経団連は「自民支持」を表明した。「これで経済界が動く流れができた」と財界関係者は話す。

 民主支持の連合愛知にも傘下労組から「ウチの社長が奥田さんからハッパをかけられた」などの情報が入った。警戒を強め、各労組に組織引き締めの指令を出した。

 もっとも、トヨタ社内にも「無党派層が主流の時代に、企業の締め付けがどこまで有効か」と疑問視する声がある。「永田町向けのポーズ」という深読みの一方で、地元財界からは「これを前例に、次も自民から同様の支援を求められたら」との戸惑いも聞こえる。
---------------------------------引用終了

そして、その結果が以下のようになった。(中日新聞よりアンダーラインは私がつけました)
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20050912/lcl_____ach_____010.shtml---------------------------------引用開始
再建迫られる民主
選挙戦術に影響も
 
県内の小選挙区では自民が公示前の議席を5から9に増やし、民主の議席を上回った。「全国最強の民主王国」とされてきた愛知でも政界地図は大きく塗り変わった。その衝撃は、県外にまで影響を与えそうだ。

 小選挙区が初めて導入された1996年の衆院選以来、名古屋市内で1度も勝てなかった自民が5区で、ついに初めての風穴を開けたのはその象徴だった。

 5区では、分厚い労組の支援が支えた民主前職に3度負け続けた自民前職が公明の強力な支援も取り付け、競り勝った。民主陣営は運輸関係を中心に労組の強力な締め付けで必死に防戦したが、及ばなかった。

 民主の牙城・名古屋を揺るがしたのは、自民に吹いた猛烈な「風」。これまで民主を支持してきた無党派層が大きく向きを変えたことで、選挙の結果は一変した。

 ある名古屋市内の陣営幹部は、選挙序盤の段階から、肌で感じる変化を訴えていた。「有力な支援者が何人も『今度だけは自民に入れさせてほしい』と打ち明けるんだよ…」

 この風が県内全域に吹き渡り、事前の世論調査で接戦が予想されていた名古屋近郊の6、7、8区でも民主前職が次々と倒れた。

 民主が「マニフェスト(政権公約)決戦」を挑み全国で躍進、愛知でも伝統的に自民が強い三河地区の14区を自民から奪った前回とは明と暗が反転した。両党の激しい攻防に、共産、社民など他党候補がつけ入るすきはなかった。

 「民主王国」の崩壊は異例の3度にわたった小泉純一郎首相の愛知遊説とも重なり合う。豊田市でトヨタ自動車首脳が演説に駆けつけた光景はイメージ戦略を超え、強力な「財界支援」のメッセージとして広がった。

 議席を大幅に減らした民主は、早急に態勢の立て直しを迫られる。「風」の向きで大きく左右される小選挙区を、どう戦えばいいか-。衆院の解散時には予想もできなった愛知の逆転劇は、今後の選挙戦術のあり方に大きく影響しそうだ。
---------------------------------引用終了

このことや、消費税大増税や武器輸出禁止の解禁などを平気で垂れ流してきた奥田発言とを照らし合わせ、「財界によるあからさまな政治介入」と感じている。
憲法9条を中心とする改憲論議やいわゆるサラリーマン増税もこの財界による介入を視野に入れて論じる必要があるだろう。
他にも、出資法の問題など政治献金に直結すると思われる法律の制定や税制の変更などは旧来からの自民党を中心とする保守に見られた現象であるが、奥の院に隠れていたトヨタ自動車があからさまにしゃしゃり出てきたことに、この国の国民がいかに彼らに舐められているかを感じさせた。

真のキングメーカーは「奥田」だろう。04002_04f


http://www.asahi.com/politics/update/0912/031.html(朝日新聞より引用)
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「専横的にならず謙虚に」 小泉圧勝で奥田経団連会長
2005年09月12日20時26分

 日本経団連の奥田碩会長は12日の記者会見で、自民党が総選挙で圧勝したことについて、「雪崩現象が起きるとは予測していなかったので、『驚いた』というのが正直な感想だ」と述べるとともに、「(国会運営などで)あんまり専横的にならず、謙虚に構造改革を進めて欲しい」と注文した。

 奥田会長は自民党の圧勝を招いた政治状況について、「瞬間的な今の状況をとらえると、大変な時代になったと思う。大政翼賛会の時代は別として、戦後はなかった状況で、重大に考えている」と述べ、政党のイメージづくりなどの選挙戦略次第で選挙結果が大きく変わることに、警戒感も示した。

 大敗した民主党への注文として、奥田会長は「党の中心軸がはっきりせず、小泉さん的なリーダーシップを発揮する人がいない。二大政党制が育つように気を引き締めて立て直すように望みたい」と語った
---------------------------------引用終了


個人的には、小泉純一郎の個性が現在の全体主義的現象の一要因であるとは思うが、その背後にある巨大多国籍企業が自らの利潤を最大化させるために、彼を作り上げていることを忘れてはならないと考える。
マスメディアも巨大多国籍企業の一員だから当然国民の立場にたった報道などありえない。

同様のことは、ジョージ・ブッシュJrにも言えよう。イラク戦争が誰のための戦争だったかは明らかだ。「民主主義」のためではなく、石油や軍需産業に仕えるために行われた戦争だ。

これは、時代遅れと言われるカールマルクスの言った醜い資本主義そのものではないのか?

全体主義は、その政治体制にかかわらず起こりうる。社会主義と名乗る体制でも民主主義といわれる体制でも。

体制を整えれば私たちは眠っていても怠惰でも、誰かが何とかしてくれるというのは誤りだ。全体主義は国民が無知、無関心、怠惰、無力であればいつでも襲ってくる。私たちは今厳然と突きつけられている。

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Tracked on December 25, 2005 at 04:41 PM

Comments

 お初にコメントさせていただきます・

 キングメーカー奥田経団連会長・・
でしょうか・・・今度の選挙について
言えば米国・なのでは?

 奥田氏、いつだったか米国自動車業界
に「気配り」してトヨタ車の値上げを言った
事がありましたね・さすがに各方面から
非難の声が上がって、弁解してましたが・・

 今度の小泉首相、自民党総裁の「郵政
民営化」については米国の「年次改革要
望書」の存在がインターネット上では論
じられていました・・・
 大手マスコミでは殆ど見かけませんで
したが・・・

 国民はど派手な劇場型選挙?刺客騒ぎ
に目くらまされて小泉自民党にその「票」
を与えてしまったのではないでしょうか・
・・「郵政民営化」の空疎な中身など
おかまいなく・・・

 その「つけ」は???

Posted by: J.I | September 14, 2005 at 01:49 AM

J.Iさんコメントどうもありがとうございます。
もちろん、今回の郵政民営化問題については、アメリカを中心とする国際金融資本が背景になると思います。
ただ、郵政民営化以外の争点というか、個人的にはそれ以上に危惧している憲法9条の問題や大増税の問題は、輸出関連企業の利潤とか減税とセットになっていると思っているので、そちらに焦点をあてて書いてみました。
「年次改革要望書」についてもそうですが、「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」についても無かったことにされていますよね。

これをちゃんと報道してくれさえすれば、このような結果にはならなかったでしょうね。まぁ、選挙が終わってから出てくるかも知れませんね。

子供の頃よく「テレビばかり観てるとバカになる」と言われたものですが、あながち間違ってなかったのかもと思います。
最近は、テレビを消そう運動でもしようかと思っていますよw
といっても新聞報道も惨憺たる内容のものも多いですが…。

ツケは、考えて行動した人にも考えずに行動した人にも平等に及ぶでしょうね。それが歯がゆい。

一番の被害者は未来の人々かもしれませんが。

Posted by: miyau | September 14, 2005 at 02:18 AM

はじめまして、私の居住地の神奈川でもトヨタはえげつなかったので、(神奈川は民主絶滅です)お膝元はさぞかしと思ったのですが、結果はこれです。

第44回愛知県小選挙区得票数

自民党:1,722,809
非自民:1,966,332

Posted by: Food4Culture | September 17, 2005 at 11:42 AM

こちらこそはじめまして(^^)
神奈川もそうでしたか、やはりトヨタは全国的に選挙に介入していたのですね。

企業ぐるみ選挙などは昔から行われていたことですが、今回あまりにあからさまで国民を馬鹿にしていると感じたのでこの記事を書いたのです。ウオール街の宣伝部隊だけがこの国の政治を歪めているわけではないと。ネットでもカイカクカイカクトウヒョウニイコウのプロパガンダを流したサイト(大手の経営者が実名をたくさん出していました)が出現しましたしね。

ほかのブログでも得票数の分析が行われていますが、得票数だけを見ると自民党が1党だけでこの国を牛耳れなくなってきていることが明らかですよね。言われているほどこの国の人々は茹で上がってはいないなと思い少しホッとします。

やはり、小選挙区制度と公明党の存在が今回の選挙結果に多大な影響を与えていることを再認識させられる数字ですね。

Posted by: miyau | September 17, 2005 at 09:37 PM

日本の、《カイシャ》は、もともと、経済組織ではなく、政治組織だったのです。

なぜなら、日本の組織原理は《イエ原理》で、それは《イエの存続を至上目的とする、合目的的団体》です。つまり、community + corporation 。単なる合目的組織なら、目的が達成されれば解散される可能性が常に仮定されています。しかし、自らの《不死》が目的だと、論理的にトートロジー。稼ぐために組織があるのではなく、組織を維持拡大するために稼いでいるんですから、その目的に資するなら、なんでもありでしょ。日本にクレージーでない《国家理性》はありませんが、賢(さか)しらな《カイシャ理性》なら、世界に冠たるものがあるわけです。

Posted by: renqing | September 23, 2005 at 03:02 PM

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