拒否できない日本-アメリカの日本改造が進んでいる

「拒否できない日本-アメリカの日本改造が進んでいる」関岡英之著(文春新書刊)
10月10日、以前から詠みたいと思っていた本書を店頭で購入した。「なぜ読めない」と話題になっていた本書を購入する際は特に、「お金を儲けさせるのは、儲けさせたい行動をとっているところ」にしたかったので、店頭に置いているような本屋で買いたいとも思っていた。アマゾンで購入する気が起きなかったことは言うまでもない。
著者の関岡英之さんは、東京銀行(現東京三菱銀行)出身で、退職後に建築家をめざしている最中に中国の北京で開催された国際建築家連盟(UIA)の世界大会に1学生として出席したときに、世界各国の建築家の資格制度を国際的に統一する国際協定が採択されたことから、アメリカによって「国際的ルール」をアメリカの制度に準拠した形でさまざまな知的専門職の国家資格を統一させようという戦略が推し進められていることに直面したことをきっかけとして、今話題になっている「年次改革要望書」や「外国貿易障壁報告書」へと連なる、アメリカによる経済支配、とくに日本に対する凄まじい内政干渉の実態に連なっていく。
あとがきにあるように、わたしも今の日本はどこかが異常であると思う。
自分たちの国をどうするか、自分の頭で自律的に考えようとする意欲を衰えさせようとする病がどこかで深く潜行している。私が偶然、アメリカ政府の「年次改革要望書」なるものの存在を知ったとき、それが病巣のひとつだということはすぐにはわからなかった。
だが、この病は定例的な外交交渉や、日常的なビジネス折衝という一見正常な容態をとりながら、わたしたちの祖国を徐々に衰滅に向かって蝕んでいるということに、私はほどなくして気づかされた。(中略)
アメリカがこれまで日本にしてきたことは、一貫してアメリカの選挙民や圧力団体にとっての利益に拡大ということに尽きる。そのこと自体に文句を言ってみてもはじまらない。自国の納税者の利益を最大化するために知恵を絞るのはその国の政府の当然の責務である。アメリカ政府は当たり前のことをしているに過ぎないのだ。
問題は、アメリカの要求に従ってきた結果どうなったのか、その利害得失を、自国の国益に照らしてきちんと検証するシステムが日本にはないことだ。そしてそれ以上に問題なのは、もし私たち日本人にはアメリカの要求に従う以外に選択肢が無いならば、なぜそのような構造になっているのか、という点である。私たち国民全体が、その構造に向き合わざるを得ない時期がいままさに到来しているのではないか。
そして、最も留意すべき点は、この本の内容は「すべてアメリカ政府が公文書で発表していること」だということだ。
今回私が使った資料はすべてインターネットの公式サイトで公開されている公式文書や、国立国会図書館などで一般市民でも閲覧可能なものである。
公にされない軍事部門は、語らずもがなということだろう。
また、こうも述べている。
アメリカを批判すると、「それは日本の自己責任をアメリカのせいにする陰謀史観だ」という人がすぐに現れる。だがその指摘にどんな積極的な意味があるだろう。「それは陰謀史観だ」というレッテルを貼って思考を停止してしまう。そしてパンやサーカスに注意をそらし、現実に起きていることへの国民の関心を封印しようとする。
これは、間違って当選した最年少国会議員やお菓子な国会議員のおもしろおかしい報道のことをさしているのだろう。
さあ、思考停止している場合ではない。「年次改革要望書」には実にさまざまなテーマが網羅されている。本書で取り上げているのもごく一部だ。まだまだ、考えるべきこと、解決しなければならないことがたくさんある。
あえて、この言葉を使おう。全ての「愛国者」よゴー宣なんか捨ててこの本でも読みやがりください。
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Comments
私のblogへのTBをありがとうございます。
ただ、「〈反米愛国〉か〈親米売国〉か」に、
上記記事のTBが三つ連続でついてますので、二つは削除させてね。ということで、私もこちらにTBさせていただきます。
Posted by: renqing | October 11, 2005 at 03:53 AM
はじめまして
「年次改革要望書」は、アメリカが日本だけでなく世界中の国に出しているものなんでしょうかね。ここ数年、日本の親中、ソ連派は消え、細かな改革で、日本株の40パーセントは外国ファンドが持つに至りました。もっともアメリカ国債から軍事に必要な技術も日本が押さえてますんで、んー、どっちもお互いの主張を拒否できないんではと思いますが・・・
Posted by: 榊 | October 11, 2005 at 04:16 PM
>>renqingさん
3つもTB行ってましたか(^^;)それはご迷惑をおかけしました。適当に削除していただけると幸いです。
こちらこそいつもありがとうございます。
本に溺れたいは、私の知らないことがたくさん書いてあるので、読んでいて楽しいです。
これからもよろしくお願いいたします。
>>榊さん
こちらこそはじめまして。
よろしくお願いいたします。
他の国にまで年次改革要望書のようなものを出しているかどうかわかりませんが、やっていそうな気はしますね。韓国とかにはやっていそうですよね(調べていませんが)。
日本の要求をアメリカが呑んだということは残念ながら私は知らないのですが、アメリカにたくさんお金を貸しているのは間違いなく日本です。アメリカに返済する気はあまりなさそうですが、円安にさせて借金を半額くらいにしてから返済する気じゃないのかなぁ。借りたいだけ借りたら円安誘導じゃないかと。
技術力の面でいうと、どうなんでしょう?
日本の研究環境をぶち壊して(大学破壊は酷いものですから)、優秀な技術者をアメリカに大量に雇っているし、これからも雇えるので心配していないのでしょうかね。
本来的にはもう少し日本の言うことを聞いてもよさそうだと思うのですが、敗戦国の悲哀で支配者層は何十年もかけて親米派だけになるように作り上げてきていますから、難しいかなと思います。
残念ながら「同盟」国としての対等な扱いは全く考えていないように見受けられます。
Posted by: miyau | October 12, 2005 at 01:29 AM