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October 03, 2005

メディア問題とひとつの命

昨年10月に一人の日本人の若者がイラクで命を落とした。
彼のことを憶えている人は多いだろう。

当時、私はテレビや新聞の報道を観ながら違和感を感じていた。人質になっていた若者は香田証生さんという名前で、なぜイラク入りしたかが不明とあった。不明であるにもかかわらず、テレビを通じてあたかも彼が「物見遊山」にイラク入りしたかのような報道が洪水のようにあふれてきたからである。

3人青年が人質になったときに、感情的になったご家族の一部の言動だけを切り取って報道したテレビ局の編集にも違和感を憶えたが、香田さんの場合はもっと異様だった。

彼がイラク入りした事情が何もわからないにもかかわらず、あんな危険な場所に「自分探し中の若者が物見遊山で行った」ことを前提にした批判が垂れ流された。

私の職場のやさしいおじさんも「なんてバカなんだ」と、感情的になり「どういう理由かはっきりしないのにそれはおかしい」という言葉に耳を傾けようとはしなかった。そのとき「ああ、ファシズムはこうやって広がるんだな」と感じていた。

あれからもうすぐ1年が経つ。一人の若者が無残に殺されようとしているのに、この国では外務省や首相官邸だけでなく、マスメディアもそして多くの「普通の人々」も彼を助けようとはしなかった。
そして、自分の子供を助けてください!と言えずに、下を向いて申し訳ないと謝り続ける彼の両親の姿に、何も出来ない自分が歯がゆくもあり胸が引き裂かれそうだった。

最近、香田さんへのメッセージが寄せられているサイトにご両親からのメッセージが寄せられた。

-------------------------------以下引用
アクセスして下さっている皆様へ
もうすぐ1回目の彼岸(悲願)の時を迎えます。何も出来ない1年でした。しかし、多くの方々に支えられている事の実感できた1年でした。ここにアクセスしてくださり、励まして下さった方々に感謝です。 「証生君安らかに眠るな」と励ましてくださった135番の方へ、証生は眠っていないようです。まだ、多くの方々の所へ遊びに行き、色々なお友達を我が家へと招いています。

東京の和光中学の生徒だった方、今は高校生になり、7月18日に高校生反戦ネットワークを立ち上げ活動を開始されています。遠いため支援のメッセージくらいしか送って手伝う事が出来ませんが、小さなうねりの1波が起こっています。

又昨日は、沖縄からイラクの写真を撮っていたカメラマンの方が訪ねて下さいました。イラクの現状は、本当に悲惨であり、テレビでしか情報を知らない私達は、本当の事を知らされていない事に、改めて気付かされています。イラクで子供さんを爆撃で亡くされたお父さんが、この子の写真を撮ってくれと頼まれ、この写真を日本の人々に見せて、現実を・真実を・伝えて欲しいと頼まれたそうです。しかし、写真展を開いても、その写真が余りにもむごくて、見る人の気持ち、それを並べる自分との葛藤、その後の反響など色々な悩みの中で、未だお父さんとの約束を果たせないでいる事への葛藤などを、お聞きしました。本当に聞くだけしか出来ずに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

又137番の方へ、私たちの気持ちを理解してくださり有難うございます。ただ私達は出来るだけ、証生の気持ちに成り代り行動したいと考えています。今もまだ証生は、私達に何かしてくれとは、云ってきません。色々な処で色々な人に話し掛け、素敵な歌になったり、歌詞になったり、絵になったりしているようです。

-------------------------------引用終了

自分の家族を失う痛みを多くの人を気遣いながら耐えつづけている人がいる。
彼らのために私に何ができるか。その痛みを思い、知らせるしかできない。

マスメディアにかかわっている人がもしこの文章を読むことがあったら、命を落とした香田さんとそのご家族が、マスメディアを通じて日本政府が組織的に作り上げたイメージでどれだけ傷ついたか考えて欲しい。

弱い者を虫けらのように扱う。これが新自由主義のイデオロギーなのかもしれない。
あなたは、一生強い者でいられる自信がありますか?病気、災害、事故などに遭うことはありえませんか?


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