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November 2005

November 29, 2005

@nifty:NEWS@nifty:自民税調、定率減税の全廃を容認(読売新聞)

リンク: @nifty:NEWS@nifty:自民税調、定率減税の全廃を容認(読売新聞).

自民税調、定率減税の全廃を容認(読売新聞)  自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)は28日、党本部で総会を開き、2006年度税制改正の議論を本格的に開始した。

 総会では、谷垣財務相が、所得税と個人住民税の納税額を減額している定率減税について「景気の状況を踏まえ、定率減税の全廃にどう道筋をつけるか議論いただきたい」と述べ、政府税制調査会が25日にまとめた答申の追認を求めた。

 これに対し、出席した議員から存続を求める意見は出ず、07年からの廃止が確実になった。

 自民党税調は、公明党税制調査会(坂口力会長)との協議を経た上で、12月15日をめどにまとめる与党税制改正大綱に定率減税の全廃を盛り込む方針だ。定率減税は06年に減税額が半減される。

 07年に全廃されれば、所得税と個人住民税との合計で、縮減前と比べて年間で約3兆3000億円の増税になる。今後、IT(情報技術)投資促進税制の廃止と新たな企業優遇措置の創設、不動産登記の際に納める登録免許税の軽減措置の取り扱いなどについて、定率減税廃止とのバランスを考慮して議論する。

[読売新聞社:2005年11月28日 22時36分]

もう言い厭きた。「定率減税」は減税ではなく、消費税増税の際に年収1000万円未満の「低所得者」の負担軽減のために「恒久的」といって導入されたものである。定率減税はずっとやりますよといって消費税を増税した。自民党の国民に対する約束など武部の後頭部に生えている薄毛よりも軽いということだ。
まだ、あんなやつらを信じているのか。
何度与党の増税しませんの嘘に踊らされれば気が済むのか。そして、そのうっかりで他の人々に迷惑をかけ続けるのか。
まぁ、テレビだけを見つづける人々にとっては、松井結婚とかレイザーラモン小池百合子に失笑を買うとかのほうが「自分が増税される」ことより重大事件と考えているし、報道する人々も国民が増税されることよりも、レイザーラモンを冷たく睨む般若のような小池百合子の凄みを伝えて決して小泉内閣に逆らわないように印象操作することに熱心なのだろう。

昼休みついでにもうひとつ

住民税を一律10%に

この見出しを見て「平等」じゃんと思う人は小学校1年生から算数をやり直してください。他人に危害が加わりますから徴兵制よりも先に小学校強制再入学制度を設けてください。

現在の住民税の税率は東京都主計局

表1 都民税の税率(速算表)
課税所得金額 税率 速算控除額
700万円以下 2% -
700万円超 3% 7万円

表2 区市町村民税の税率(速算表)
課税所得金額 税率 速算控除額
200万円以下 3% -
700万円以下 8% 10万円
700万円超 10% 24万円

これが全部一律10%になるそうだ「形式的には平等」だ。しかも「簡素」で「わかりやすい」そうだ。
しかし、年所得200万円以下の増税される低所得者と年所得700万円の減税される裕福な者の条件を同じにして「平等」などというのは、近代の「平等」の意味にすら反する。
カンソとかワカリヤスイとかもういいかげんみんな考えてくれ。

政府税調、定率減税など廃止提言 増税2.6兆円規模

2005年11月25日18時54分


小泉首相に答申を提出する政府税制調査会の石弘光会長(左)=25日午後、首相官邸で

 政府税制調査会(会長=石弘光・中央大特任教授)は25日、06年度税制改正の答申を小泉首相に提出した。所得税と個人住民税の定率減税、企業のIT(情報技術)投資を促す法人税減税など、景気対策で導入した減税策について軒並み廃止を提言。答申による増税規模は総額2.6兆円程度となる。今後、最終的な改正内容を与党が検討し、12月中旬に税制改正大綱として決めるが、減税策の廃止に大きな異論はなく、増税色の濃い内容となるのは確実だ。

 定率減税は、小渕内閣が99年に「景気対策の恒久的減税」として導入。減税額は1世帯あたり年間で最大29万円あるが、景気回復を理由に06年から半減することが昨年末に決まっている。政府税調は今回、残り半分(減税規模約1.6兆円)についても廃止を求めた。与党内も全廃方針で一致しており、決定すれば07年1月から所得税、同6月から住民税の減税がなくなる見通しだ。

 来年以降、定率減税廃止による負担増に加え、消費税率引き上げなどの増税論議も本格化するとみられ、個人消費に影響する可能性もある。


 政府税調は、法人税減税に関しても、05年度末で3年の期限が切れるIT投資減税(約5100億円)と、研究開発投資減税の上乗せ措置(約1100億円)について「延長の必要はない」と指摘。自民党税調では、廃止して小規模な新措置に移行する案が有力だ。

 不動産登記時の登録免許税と不動産取得税の期限付き減税(約3700億円)も廃止を求めた。

 国と地方の税財政改革(三位一体改革)で地方に約3兆円の税源を移譲するため、所得税(国税)を減税し、住民税(地方税)を増税することが固まっている。答申には盛られていないが、現行5、10、13%の住民税率は10%に一本化。現行10、20、30%の所得税率は低所得層向けに5%を新設し、最高税率(現行37%)は40%へ引き上げて5段階にする方向。所得税減税の恩恵を受けない低所得層には、住民税額控除などを検討する。


 酒税では、酒の分類の簡素化と税率格差の縮小を求めたが、「第3のビール」増税には触れなかった。使途を限る特定財源については「一般財源としての活用」を提言。その場合も、道路特定財源で、道路建設を促進する目的で法定税率に上乗せしている暫定税率は、小泉首相の指示に従い「納税者の理解を求めつつ、現行の税負担水準を維持するのが適当」と実質的な増税を容認した。

 相続税の物納制度では、物納できる資産の基準の不明確さや手続きに時間がかかる点などの改善を求めた。 高額納税者の氏名、住所などを公表する「長者番付」は、個人情報保護の観点から廃止を提言。期限内に必要な確定申告をしなかった際に課す「無申告加算税」の税率(現行15%)の引き上げも求めた。


【政府税調の06年度税制改正答申の骨子】

◇所得税・住民税の定率減税

 経済状況が導入当時と比べ改善しており、廃止

◇国からの地方への税源移譲

 個々の納税者の税負担の変動を小さくするよう留意し、住民税率はフラット化、所得税はより累進的な税率構造に

◇法人税の投資減税

 IT投資、研究開発(上乗せ分)とも、今年度末の期限は延長しない

◇特定財源

 道路財源など全般について一般財源として活用。道路財源は、納税者の理解を求めつつ現行の税負担水準を維持

◇酒税

 分類を簡素化し、酒類間の税負担格差を縮小

◇環境税

 関係省庁での議論を踏まえ、総合的に検討

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November 27, 2005

映画の取材も命がけ?

アンドリュー・ニコルの鋭い感受性は世界の深層を鋭く抉ってしまっているのかもしれない。

現役武器商人へのインタビューに燃えていた中年宣伝マンさんを失意のどん底に叩き込んだ事件。

それは、インタビューを予定していた武器商人の「暗殺」である。

フィクションは時に真実を浮かび上がらせる。恐いくらい本編が楽しみだ。

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November 24, 2005

穢れた系譜-秘密のファイルCIAの対日工作(下)

とっくに読み終わっていたのだが、下巻のあまりの内容にどう書こうか悩んでいたので遅くなってしまった。

挙げればきりが無いほどのCIAによるアメリカの日本支配の実態に唖然としたが、その象徴的な問題がCIAによる選挙介入だ。

CIAによる選挙介入

CIAが岸信介に日本の改憲やその他の政策実効を容易にするために様々な支援をしている。
そのなかでも最も重大と思われるのは、選挙介入だろう。
1957年(昭和32年)末から翌年にかけて衆議院の解散・総選挙が予想されたが、自民党の勝利は楽観視できない状況だった。そこで、当時の駐日大使マッカーサー2世は、岸が負ければ「憲法改正などの政策遂行は困難になる」として勧告を出した。

a)次の日本の総選挙の結果に米国の死活的な利益がかかっている。
b)向こう数ヶ月間、岸がさらに成果を挙げられるよう、慎重に助けるために適宜何でもできることをやるのが米国の国益。アデナウアーの過去二回の選挙でわれわれが行ったのと同じようにして、岸を強化することについて考えるべきだ。
c)岸の立場をどうして助けるかを(恐らく高レベルのグループで)検討することを緊急に直ちに開始することを強く勧告する。選挙前に支援するのが可能な場合、選挙結果に影響を与えるように行動するのが最も重要だ。(カッコ内原文)

アデナウアーというのは戦後西ドイツでキリスト教民主同盟(CDU)の創設に参画し、初代首相に選ばれた人物で、CIAの秘密工作に協力し、選挙資金の提供を求めた事実がCIAの秘密文書に記載されている人物である。
このCIAによる資金援助は、1994年10月9日付けニューヨークタイムズ紙によって暴露された。
アリゾナ大学のマイケル・シャラー教授(歴史学)は、国務省の文書解禁をチェックする立場にある人物だが、彼が筆者とのインタビューで「岸がCIA資金を得ていたのは疑問の余地がない」と断言しているという。
自民党に直接CIA資金が渡ってはいないが、自民党で有力になった(首相経験者も含む)者に「黒かばんオペレーション」として現金を渡していたことが明らかになっている。大物右翼を介してではなく、直接だ。
また、岸信介だけでなく佐藤栄作も資金をアメリカに要求していた。

「防共」の目的のためならば他国の法を侵し選挙に介入していいということと同じ理屈で、ソ連の脅威が無くなった現在でも「テロとの戦い」名目で同様のことを諸国で行っているのではないか。「金で買えるアメリカ民主主義」というグレッグ・パラストの本ではないが、アメリカは多くの世界の人々が民主主義のお手本と呑気に考えていた時代から腐っていたのではないか。
露骨な強権志向を隠さないブッシュだけではない。民主党でも共和党でもアメリカ合衆国は自国の大企業の利益のためだけに、中南米の国々でコントラのようなテロリストを育成し送り込み、住民を虐殺させるがままにしてきたではないか。美しく着飾ってはいるが京都でノタマッタように「自由と民主主義」というのならば戦後の日本で行った選挙介入についてなんと申し開きするのだろう。なぜこんなにもアメリカが憎まれるのか少しは考えて欲しい。
註)気の短い方は上記演説全文のあまりの厚化粧振りにこめかみから血が出てしまうほどお怒りになるかもしれない。

アメリカによる過度の政治介入。最近の小泉大勝の背後にもその影が見え隠れする。
それがなければ、日本の政治情勢は今とは違ったものになっていたかもしれない。今後の私たちの方向性を決めるべきなのは、アメリカ合衆国ではなく日本国民の(介入を受けない)正当な判断によるべきなのだ。

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November 23, 2005

近日公開[LOAD OF WAR]

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一番好きな映画は?と問われたら迷わず「ガタカ」と答える。gattaca

監督兼脚本のアンドリュー・ニコルは、ニュージーランド出身。もともとはCMディレクターだった。
「トゥルーマンショウ(脚本)」「シモーヌ(監督&脚本)」「ターミナル(製作総指揮)」

ガタカは、遺伝子操作が当たり前になった近未来を舞台に、遺伝子操作を行わない自然出産で生まれた「神の子」ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、宇宙飛行士になる夢を叶えるために、最高の遺伝子を持つジェローム(ジュード・ロウ)になりすますことになる。ところが殺人事件が起こりヴィンセントが疑われることに。

超美麗映像と胸にしみる音楽、そしてアンドリュー・ニコルの皮肉屋だが人間を愛して止まない視線で綴られる物語の虜な私です。

これは、必見!なのですが、今回はアンドリュー・ニコルの最新作!「ロード・オブ・ウォー
主演にニコラス・ケイジ。実在の死の商人をモデルに作られた。

日本公開間近!!12月17日公開!!
狂喜乱舞ちゅうです!
今ならGYAOで試写会プレゼント中ですよ~。

今回の映画は武器商人。かなり今日的テーマですよね。
ハリウッド資本が投入されなかったインディペンデント系大作。
これだけの監督が作る映画にハリウッドからの投資が集まらなかったということもさらに興味をそそるはず。
世界情勢に興味ある人も無い人も必見です。
ブログも開設されました。この映画のモデルになったと言われるビクトル・パットに43歳中年営業マン氏が挑む?アンドリュー・ニコルのインタビューもありです。

ビクトル・パットはタジキスタン生まれの旧ソ連空軍将校。ここ10年間で、アフガニスタンのタリバンとアルカイダ、リベリアの元独裁者テイラーやりビアのカダフィ大佐などに武器を売りさばき、武器密輸の世界における最大のプレイヤーにのぼりつめた男。 国連の武器禁輸制裁破りの名手として悪名を轟かせてきたという。

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November 22, 2005

米軍再編情報

気になる米軍再編情報

河北新報ニュースより

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鹿屋市長、受け入れ拒否 米軍再編で額賀長官に

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 額賀福志郎防衛庁長官は21日午前、鹿児島県鹿屋市役所で山下栄市長と会談、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の空中給油機12機を海上自衛隊鹿屋基地に移駐させる案を盛り込んだ在日米軍再編の中間報告に理解を求めたが、山下市長は受け入れを拒否した。
 山下氏は「事前の説明不足だ。頭越しにいきなり負担増を言われても困る。市民の安心、安全を考えると受け入れられない」と述べ、空中給油機移駐に反対した。
 額賀氏は「(騒音などの)被害を最小限にするため最大限努力する」と強調したが、来年3月の最終報告取りまとめに向けた今後の調整は難航しそうだ。2005年11月21日月曜日

鹿屋市:鹿児島県鹿屋市、大隈半島のほぼ中心に位置する。自衛隊鹿屋航空隊基地、鹿屋体育大学などがある。知覧とともに特攻隊の基地があったことで知られる(平和運動が盛んでないゆえ知覧ほど知られていないのは自衛隊の基地を持つ街で基地による固定資産税などの収入に依存していることにも原因がある)。
鹿屋市を含む大隈半島は保守の強固な土地で元自民党副総裁二階堂進(ロッキード事件で灰色高官と騒がれた最後の田中派)や山中貞則などの地盤。

私の出身地でもある。こういうところの市長が、政府の言うことを拒否することだけでも天変地異のごとき驚きを禁じえない。
いま沖縄の「痛み」が本土の辺境まで及ぶ危機にあるということだ。いままで唯々諾々と言うことを聞きつづけてきた結果が米軍の移設先に選んでも市民の反発が少ないとかなり舐められていると思われる。


日経新聞ニュースより

シュワブ沿岸移設案に反対・名護市議会が決議  沖縄県名護市議会は21日、在日米軍再編の中間報告で合意した米軍普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸部(同市)への移設について「強く反対を表明する」との意見書と決議を賛成多数で採択した。近く小泉純一郎首相らに送付する。

 意見書と決議は「代替施設の滑走路の延長線上に民間地域が位置し、騒音など住民生活への影響が懸念される」と指摘。「(合意は)地元の頭越しに行われたものと断じざるを得ず、(沖縄本島)北部への基地集約が懸念されることからも憤りを禁じ得ない」としている。

 移設反対派の市議の一部は「修正されれば(シュワブ周辺への移設を)受け入れるとも解釈できる」と反対に回った。 (13:02)

保守的な地域性と人はいいのだが、何も考えていない人があまりに多すぎるわが故郷。私が愛するとともに憎悪してやまない郷里。これで少しは沖縄の人々の気持ちが理解できるようになったのではないか。いまこそ、沖縄の住民たちと連帯して米軍基地撤去運動でも始めたらいかがだろうか。

追記:威勢のいい人々も少しは存在するようだ。あんな土地柄でも地殻変動はおこりつつあるのかもしれない。
連なるシャッター街以前なら自民党から市議会議員になりそうな人でも商売を続けられなくなった街。額賀長官をシュプレヒコールで迎えた40人の人々に心からエールを送ろう。(22日正午)

OTV沖縄のニュースより

◇◇鹿児島県知事も移設反対を表明◇◇ 05/11/21 (月) 21:07


 嘉手納基地のKC135空中給油機の鹿児島県・鹿屋への移設問題で、防衛庁の額賀長官が地元に理解を求めましたが、鹿屋市長と伊藤県知事は反対する考えを示しました。

 額賀長官は市民団体の移設反対のシュプレヒコールの中午前11時、鹿屋市役所に到着し、山下市長との会談に臨みました。会談は予定の30分を大幅にオーバーし、1時間に及びました。この中で額賀長官は「地元の要望に丁寧に応えながら、国の立場と地方の立場の接点を探りたい」と述べましたが、山下市長は改めて移設に反対の考えを伝えました。このあと、額賀長官は県庁を訪れ、伊藤知事と非公開で会談しました。このなかで、伊藤知事は「沖縄が再編計画に反対する以上、鹿屋への移設は賛成できない」などと述べ、初めて反対の姿勢を明確に打ち出しました。



防衛庁長官は振興策示唆 (朝日新聞地域情報)--------------------------------------------------------------------------------

 米軍再編に伴う空中給油機部隊の鹿屋移転計画で、伊藤祐一郎知事が21日、初めて「反対」を表明した。ただ、同日会談した額賀防衛庁長官の発言からは再編案修正の余地はうかがえず、政府として地元振興や負担軽減策を打ち出し、あくまで地元に理解を求める考えを示した。
 
 伊藤知事は会談に先立つ記者会見で、計画への反対姿勢を明確にした。沖縄が米軍普天間基地の移設案に反対していることや、日米特別行動委員会(SACO)の合意の実現を優先させることを理由に挙げた。鹿屋市の山下栄市長も会談後、「米軍移転を容認する考えはない」と従来の姿勢を崩さなかった。
 
 伊藤知事によると、SACO合意の実現について額賀長官は「困難」という趣旨の発言をしたという。一方、額賀長官は記者会見で、伊藤知事、山下市長とも安全保障が大切という共通の認識を持っていると受け止めたと感想を述べた。「地元の将来のために、どういうことを考えるかについて話し合いがもたれる可能性がある。地方との調整やかかわりについて、受け皿を作っていくことで対応したい」とし、経済振興と負担軽減に取り組む考えを示唆した。
 
 今後の対応について山下市長は、市議会や各種団体で構成する意見交換会議や近隣市町と協議し、意見を集約する。伊藤知事は「騒音対策など具体的な対応を国がすると思う。それを待って判断しなければならない」と話した。
 
 額賀長官の訪問に合わせ、鹿屋市役所前では「反戦・反核・平和運動をすすめる大隅市民の会」(上山陸三代表)など4団体のメンバーら40人が抗議集会を開いた。
(11/22)

それにしても「振興策」ね。いくら国からお金が出ても道路ができて大型店がやってきてみんなレジのアルバイトか交通整理しかできなくなる。地方経済の疲弊ぶりを小手先の「振興策」で補助金付けにして言うこと聞かそうって了見が垣間見える。

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憲法を守る保障制度

またもやrenqingさんが面白い問題提起をなさっていたので、憲法を守るための制度を検討してみたい。

憲法を守る制度

(1)憲法保障制度
「憲法の最高法規性は、ときとして、法律等の下位の法規範はじめ権力保持者の違憲的な行為によって脅かされ、あるいはゆがめられる、という事態が生じる。そこで、このような憲法の崩壊を招く政治の動きを事前に抑止し、または事後に是正するための装置を、あらかじめ憲法秩序の中に設けておかなければならない。憲法にその実効性を担保する制度が存在しないかぎり、真に「法の支配」の原理を表現した憲法と言うことはできないのである。この装置ないし制度を一般に、憲法保障制度と言う。」(『憲法学Ⅰ 憲法総論』芦部信喜 60-61 頁)
○憲法保障制度の例
イ 憲法自身に定められている制度(組織化された制度)
公務員に対する憲法尊重擁護の義務づけ(99 条)、権力分立制(41条、65 条、76 条1 項)、硬性憲法の技術(96 条)及び事後的救済措置としての違憲審査制(81 条)
ロ 憲法には定められていないけれども超憲法的な根拠によって認められると考えられる制度(組織化されない、又は組織化できない制度)抵抗権や国家緊急権

(2)硬性憲法の意義
「憲法には高度の安定性が要求されるが、反面また、政治・経済・社会の動態に適応する可変性も必須の条件である。
……この安定性と可変性という相互に矛盾する要請を調和させる憲法的技術が、硬性憲法だと言うことができる。憲法規定は一般に簡潔で将来の社会情勢の発展に対して開かれた形になっている場合が少なくないが、それだけでは政治・経済・社会の動態に適応することは不可能であるから、安定性の要請を充たしつつ時代の動態に合法的に応えるためには、特別に困難な手続による憲法改正を認めておかねばならないのである。
もっとも、困難な改正手続といっても、硬性度は国により時代により異なる。いかなる機関が改正を決定するかという観点から近代憲法の硬性の程度を類型化すれば、次の三つに大別される。
① 議会で決定する型 この典型は戦前のドイツ憲法である。憲法は「立法の方法」で改正される建前がとられ、定足数と表決の要件が通常の立法の場合よりも加重されているにとどまる。西欧諸憲法では、この要件に、同一議会または異なる議会による再議決という特別の要件を付加するものが多い。
② 特別の憲法会議で決定する型 この典型はアメリカ合衆国と革命期フランス諸憲法である。あらゆる憲法改正について必ず会議を設置する国と、特定の場合(例、憲法の全部改正)にだけ設置する国とがある。また③の方式を併用したり、議会による議決のほかに憲法会議の承認を要求したりする憲法も少なくない。
③ 国民投票で決定する型 議会の議決した改正案を国民投票に付し、国民が成否を決定する制度で、アメリカ諸州とスイスにその典型がみられる。国民の憲法制定権力の思想を純粋に具体化した方式と言えるが、特定の機関(元首、政府、一定数の国会議員、または一定数の国民等)が要求した場合にだけ投票に付す任意的国民投票制をとる憲法(例、イタリア、第四共和制のフランス)もあれば、あらゆる場合に強制的国民投票を要求する憲法(例、日本、スイス)もある。
いずれの方式が妥当かは、時代により国により異なるが、憲法の最高法規性の観念が強固であれば、②または③の方式を採るのが自然である。ただ、あまりに硬性度を強めると、可変性が少なくなるので、憲法が違憲的に運用される事態を招くおそれが大きくなるし、反対に、硬性度を弱めると、憲法保障の機能が失われてしまう。
日本国憲法は、……諸国に比べて硬性の度合がかなり強い。」(『憲法学Ⅰ 憲法総論』芦部信喜 67-70 頁)

憲法に反する法律を争う憲法裁判所WIKI参照
ドイツやフランスなどは抽象的審査制(具体的な権利義務の争いがなくても合憲性を問える)を採用し、通常の裁判所とは別に憲法問題だけを取り扱う憲法裁判所を設置している。
これに対し、日本国憲法では付随的審査制(具体的権利義務の争いがあって合憲性を問題とする)を採用としており、司法権の限界が違法審査制の限界となる。

違憲となる行為を行った場合には無効となり法令ならば適用されない。
大阪高裁の小泉首相靖国神社参拝違憲判決は無効な行為であるとしているので法的拘束力がある。
さて、renqingさんの最大の疑問は、違憲の行為を続けているのになぜ罰せられたり、損害賠償をしなくても済んでいるのかという点だろう。
大阪高裁の判決は、損害賠償を認めなかったが、最高裁判所も名目的損害賠償を認める方向にあるので、今後は損害賠償請求を認める判決が出る可能性も高い。

憲法保障制度が人権を守るのか

いくら法律で殺人を禁止していてもスピード違反を取り締まっていても、法律を侵害する人はいるものである。しかも、国の行政権の長が繰り返し憲法を踏みにじりつづけていることに憤るのは至極まっとうな感覚である。
憲法の由来からして肥大化する権力を拘束する技術である。
残念ながら法的技術というものはそれを共同体に存在する人々が守らなければ、何の意味もない。
権利だって、憲法に書いてあるだけでは権利とはいえない。それを行使し守らせつづける連綿たる営みの継続が権利を実効あるものとする。多くの人が歩いた跡が道となるのだ。

民主主義国家において憲法に反する行為を認めつづけているのは、私たち有権者の責任である。
選挙制度やマスメディアの問題はあっても違憲行為を繰り返す首相を喝采をもって迎えているのは私たち現在の大人だ。「命がけで憲法を破る」などと寝言を言う都知事を喝采する者は、自分の子供が「命がけで人を殺す」と言っても止めないのだろうか。
憲法9条の問題でも、制定直後から改憲の圧力があり、多くの為政者が改憲の意図を持っていたがそれを公言すると票が減るから公言しなかったにすぎない。今彼らが改憲を公言して憚らないのは、票が減ることは無いと思っているからだ。

様々な憲法保障のための法的制度を検討することも大事なのだが、いま最も大事なのは私たちがもっと憲法や権利についてもっと知り、判断する前提を手に入れることではないのだろうか。私たちは民主主義の道程にいるのだ。

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November 16, 2005

ペルー国交断絶宣言報道に納得いかない

またもやrenqingさんがとても重要な問題提起をなさっていたので、憲法を守るための制度的保障を他国の憲法と比較してみたいと思っていますが、検討すべき点が多岐にわたるので、時間をかけて考えたい。

さて、11月13日にアルベルト・フジモリ元ペルー大統領が密かに日本からチリに入国し逮捕され、「日本との外交断絶を」というかなり強硬な発言をペルー副大統領がし、話題になった。

ところが、私の目にする限りの報道では、ペルーの副大統領の発言のあったこととペルーの国内経済に対する日本の経済的貢献についての話題だけが多く、その経過が明らかでない。他の国から国交断絶(日本が断絶している国は北朝鮮しかない)宣言されてしまうというのは、重大事態なのでその背景についての解説が薄く、本日は黒田清子さんの結婚報道一色で違和感を感じていた。

フジモリ出国

フジモリ氏:日本出国しチリに ペルー大統領選へ帰国準備

アルベルト・フジモリ元ペルー大統領 【メキシコ市・藤原章生】東京に滞在していたペルーのアルベルト・フジモリ元大統領は6日午後(日本時間7日未明)、チリの首都サンティアゴに到着し、市内のホテルに入った。同大統領の政党「シ・クンプレ(成し遂げる)」のデルガドアパリシオ幹事長が毎日新聞の電話取材に明らかにした。

 フジモリ氏はサンティアゴ到着後、「ペルーに帰国し、06年の大統領選に立候補するという約束を果たすためチリに一時的に滞在する」と声明を発表した。チリへの電撃入国は、隣国で出馬の意欲を訴え、ペルー国民の支持を獲得する狙いとみられる。

 フジモリ氏は00年11月に日本に入国し大統領職罷免後、ペルー国内で対テロ作戦の際の人権弾圧など21件の罪で起訴され、ペルー司法当局は国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、フジモリ氏を国際手配している。AP通信によると、チリ政府報道官は同国外務省がペルー側の要請を受け、裁判所に逮捕状発行を申請したことを明らかにしたが、裁判所がどう判断するかは明確でない。

毎日新聞 2005年11月7日 11時07分 (最終更新時間 11月7日 12時32分)


そしてさらに産経新聞に掲載された共同通信の記事

「日本との外交断絶を」 ペルー副大統領が強硬発言

 

12日付ペルー紙エスプレソによると、同国のワイスマン副大統領は11日、チリで拘束されたフジモリ元大統領をめぐる日本側の対応について不満を表明、今後日本との外交関係を断絶すべきだとの考えを明らかにした。

 副大統領は、これまでもこの問題で対日批判を繰り返してきたが、外交断絶という強硬手段に言及したのは異例で、内外に波紋を呼びそうだ。

 副大統領は、フジモリ元大統領に駐チリ日本大使館員が面会したことなどをあらためて強く非難、ペルーのマキャベロ駐日大使の召喚だけでは日本に対する抗議姿勢として不十分だと主張した。

 一方、同紙によれば、今回の外交断絶発言については、与党国会議員の中からも「ペルーにとって経済上重要な日本との関係を悪化させることは、投資や援助の減少につながる」と批判が出ているという。(共同)(11/13 10:24)

この記事だけを読んで、「経済的に日本に依存しているのに国交断絶発言するなんてペルーってなんてバカな国なんだ」的なブログを散見したが、このような薄い内容の報道だけで判断しているせいで、国交断絶などという剣呑な発言に至ったかを看過している。

まず、この間ペルー政府は日本国政府に対して再三フジモリ元大統領の引渡しを要求してきた。
その理由としては、ペルーの司法当局がICPOを通じて人権侵害と汚職で国際指名手配していることにある。
この点日本政府は、フジモリが日本国籍をも有していたことから日本人として保護している。
このことからペルーで日系人への憎しみが増し白眼視される事態に陥ってしまった。

フジモリの犯罪

フジモリ引渡しを実現させよう 独裁、腐敗、人権侵害の10年間の記録参照

独裁者と言われたフジモリが大統領を罷免された後、ペルー国内で、特別殺人、重度傷害、強制的失踪、日本からの募金疑惑、在リマ日本大使館公邸襲撃事件に関する犯罪者を裁判にかけずに処刑した疑惑などで訴追されている。そのなかで特別殺人、重度傷害、強制的失踪の詳細は以下のとおり。

a) バリオス・アルトス事件:1991年11月3日22:30頃、リマ市リマ区バリオス・アルトス、ウアンタ通り840番地の住宅で、「ポヤーダ」と呼ばれるパーティーが行われていたところ、武装した6名が襲撃した。

襲撃者は、警察のライトを点灯しサイレンを鳴らし、2台の車で現場に乗りつけた。現場に到着した時、ライトとサイレンを消した。防寒帽で覆面した襲撃者は車を降りて、住居に乱入し、そこにいた者たちに地面に伏せるよう命じた。その場を制した襲撃者は、2分間に渡り無差別に発砲し、15名を殺害、その中には8歳の少年も含まれていた。また、4名に重症を負わせ、そのうちの1名、トマス・リビアス・オルテガ氏は永久に身体障害者となった。
b) ラ・カントゥータ事件: 1992年7月18日未明、防寒帽で覆面した軍人が、リマ市郊外にあり「ラ・カントゥータ」という名で知られるエンリケ・グスマン・イ・バジェ大学を襲撃し、銃尾で強打したり足げりを加えたりしながら、学生9名と教授1名を選び出して誘拐した。

c) 共謀、公文書虚偽記載、および公金横領により国家に損害を与えた罪

などである。

国家予算の違法な支出疑惑

2000年8月25日、国軍統合本部長ホセ・ビジャヌエバ・ルエスタ将軍は、コロンビア国境におけるコロンビア革命軍 (FARC)のペルーへの侵入および国境での破壊活動を阻止するため、国防省に対して20,173,278ドルの予算増額を要請した。

これに基づき、カルロス・ベルガミーノ・クルス国防相は、経済相に同額の予算増額を要求した。

これらの要請に基づき、2000年9月19日、アルベルト・フジモリ大統領が署名し、フェデリコ・サラス首相、カルロス・ボローニャ・ベール経済相、カルロス・ベルガミーノ・クルス国防相が副署した緊急政令第081-2000号が発布された。この法的措置は、国防省が20,173,278ドルまでの財源を使うことを許可するものであった。

2000年9月22日、カルロス・ベルガミーノ・クルス国防相は、上述の緊急政令に基づいて15,000,000ドルの現金の引渡しを要求した。この現金はルイス・ムエンテ・シュワルツ国防省総務局長が受け取り、その後ブラディミーロ・モンテシーノスに渡された。

この金は、ブラディミーロ・モンテシーノス・トーレスに退職金として支払われた。アルベルト・フジモリ大統領がモンテシーノスに国外逃亡を受け入れさせる代償として手渡されたものである。

また、ペルー国軍統合本部がコロンビアとの国境での作戦計画を立案したことは一度もなかったとことも付け加えなければならない。

2000年11月2日、アルベルト・フジモリ大統領はベルガミーノ・クルス国防相と大統領官邸で会うため彼に電話した。同国防相は官邸で、国庫に返すため15,000,000ドル相当の金が入ったスーツケース3個をフジモリに渡した。この金は国営銀行から引き出されブラディミーロ・モンテシーノスに手渡された金そのものではなく、他の予算項目から出されたもので、国防省予算に穴を開けた。

ブラディミーロ・モンテシーノスへの国家財産流用不正支払い事件における刑事責任

この事件では、許可されていない目的のために国費を流用したことが指摘される。 また、国家公務員にこれほど巨額の退職金を支払うことは不適切であり、実際には当局に対する強請であったことから、違法な支払いであったことが立証される。

アムネスティーインターナショナル声明「アルベルト・フジモリ元大統領を送還しなければならない」

日本財団のブログを見ると、こういった犯罪事実などまったくなかったかのような友好ぶりだ。

犯罪者であるフジモリに対する日本政府の至れり尽せりの友好関係を見るに付け、「アリジャン」さんなどの難民にもう少し親切にできるだろうと思った。

また、フジモリを追放したペルーに対して経済的に冷たかった日本に対して、中国企業が進出したりしているので、日本に対して意見を言える状況になっているようだ。Letter from Ceylon参照

日本がペルーの内政に干渉しそれだけにとどまらず、犯罪者をもかくまったというのがペルー側の認識のようだ。
国交断絶するぞくらい言いたくなることに納得した。ペルーでの人権侵害や汚職に日本の政府や企業がどのくらいかかわっていたのかも気になるところだ。
外国に内政干渉して虐殺行為にかかわった人物をかくまうなんてアメリカ合衆国並だ。国際社会でそこまで孤立しなくて済んでいるのは経済力の賜物なのだろうか。


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November 14, 2005

日本国憲法の柔軟性-外国人の人権

外国人は日本国憲法のもとで人権を認められるのか(人権享有主体性)
renqingさんの提起している問題、外国人の人権の享有主体性の問題だが、字句どおりに読めばそう読めなくはないが、これについてはその権利の性質に応じて人権の享有主体性を有するとうのが判例通説となっている(マクリーン事件参照)。

まず外国人の人権の享有主体性自体を否定する学説は国籍だけで基本的人権享有主体性の有無を判断することは平等権の侵害につながり、妥当ではないとして(少なくとも法学者の中には)採用されていない。

ただし、人権享有主体性が認められるとして、どういった権利が認められるかについては学説が分かれている。

まず、文言説(これがrenqinsさんの言う「国民」とあるか「人民」「万民」とあるかで分かれるとする説)であるが、現在この説は日本国憲法の条文上17条や22条を参照すると必ずしも厳密に「国民」と「万民」が使い分けられていないのでこれまた採用されていない。

そこで、現在の判例通説は権利の性質上適用可能な人権については全て認めている。

あとは、各種人権に応じて個別的に判断されているが、平等権(14条)表現の自由(21条)や個人の尊厳(13条)をはじめとする精神的自由(思想信条の自由(19条)信教の自由(20条)請願権(第16条)奴隷的拘束及び苦役の禁止(第18条)集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護(第22条)勤労者の団結権及び団体行動権(第28条)生命及び自由の保障と科刑の制約(第31条)裁判を受ける権利及び適正手続きの保証(第32条33条から40条までの)刑事訴訟手続きにおける権利保障は外国人にも権利の性質上当然認められる。

第22条〔居住、移転、職業選択、外国移住及び国籍離脱の自由〕や〔財産権〕29条は14条13条に反しない範囲で制限されうる。

これは、教科書的な説明でいうと、精神的自由と経済的自由を区別し精神的自由をより厚く保護している。経済的自由権はあとから回復されうるということと22条の居住移転や職業選択の自由は政策的に外国人が望ましくないとされる場合に合理的な規制は許容される。

争いがあるのは参政権や公務就任権、再入国の自由、在留権、社会権(これは定住外国人については法律によって認められている)である。

また、新しい権利といわれるものについても憲法13条を根拠としてプライバシー権などが認められている。

このように基本的に法律は刑法については人権を抑制するものであるため厳格解釈を求める(罪刑法定主義)傾向にあるが、私権の範囲や人権については柔軟に解釈されているのだ。

また、憲法だけでなく法律というものの性質上すべての事柄を予測して法文化することは困難なことから民法1条や憲法13条のように「一般条項」という解釈の指針をもとに裁判を遂行できるようにしている。

また、憲法に定められていない権利であっても法律や条例、条約などによって新たな権利を創設することが否定されているわけでもない。

改憲論のなかによくこれこれの権利をつけたしてはどうかなどという論を見かけるが、憲法改正によってしか不可能なものを見たことがない。

難民問題と憲法

難民の問題についていうと出入国管理法及び難民条約の運用上の問題が大きい。通常難民とは1951年の「難民の地位に関する条約」では、難民は、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている。今日、難民とは、政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指す。
しかし、難民条約という国際法を批准していながら難民申請についての判断が厳格にすぎ(入国から60日以内に申請しないとすべての難民認定が拒否されてしまう60日ルールなど)、不法入国者を扱う出入国管理局が難民認定を行っているなど、問題が山積している。我が国もインドシナ難民の大量発生という新事態を契機として難民条約に加入したものの、これまでに認定された難民からインドシナ難民を除くと,未だに20年間で200名に満たない難民認定数であり,1994年から1997年の4年間は毎年1名という認定者数に過ぎない(2002年日弁連意見書参照)
こうした、不正義がまかりとおっているのは、憲法に問題があるからではなく憲法を守る側の立法の怠慢、行政、司法の憲法及び国際法の趣旨に対する不見識からくるのであり、難民問題についての国民世論の無関心からくるものである。いますぐにでも難民条約の趣旨に合致する法律を整備すれば、解決できる問題なのだ。

こういった基本的人権を尊重する意思の薄い政府与党の言う「新しい人権」に私は懐疑的にならざるを得ない。

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阪神タイガースファンのみなさま

はじめまして。
私のブログの記事が阪神タイガース公式掲示板で紹介されていたようで、アクセスできずに困っている人がいることに「妙にアクセスが多いな」と思いアクセス解析を見に行って気がつきました。

私のブログでは、政府に批判的なことを書いているので、荒らし対策にプロクシ使用を制限しております。
読みに来る方にご迷惑を一部おかけいたしますが、どうかご容赦ください。

そこで、プロクシを利用している方にプロクシの使用をいったんやめて記事を読みに来てくださるように、どなたか掲示板に書き込んでいただけないでしょうか。セキュリティーを設定している方はいったんセキュリティーソフトの設定を切ると読めると思います。

掲示板のほうにコメントしようと思ったのですが、私阪神の公式ホームページのアカウントがないのでコメントできなかったものですから。よろしくお願いいたします。

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転載〔≪緊急≫■アリジャンを知っていますか■〕

日記はこれから書かれるところですの足踏堂さんから緊急の署名のお願いがあったのを発見したので、とりあえず許可無く反射的にコピペします。(ココログ重たくて先ほど一回消し飛びました(泣))

時間がありません。また、時間内にここを見つけてくれる方も少ないでしょう。

ですが、もしこれを読まれるのが一人だけでも、お願いしたいことがあります。

アフガン難民のアリジャンの支援のために、署名してください(一瞬で終わります)。
以前、『母さん、ぼくは生きてます』という本が出され、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれません。検索をかけてみてください。多くの方がこの本を薦めていることがわかります。

しかし時間がありませんので、まず、このサイトをご覧下さい。

急な署名のお願いで本当に恐縮です。急な署名のお願いなど断るのが当然という向きもいらっしゃることと存じますし、それが当然だとも思っています。だから、アリジャンを知っていながらこの署名のことを知らない方に見て頂ければいいなという気持ちです。あるいは、もし亭主の判断を信じてくださる方がいるなら、ぜひお願いします。


私が受け取ったメールを一部、許可無く引用します。

> かれは2001年にタリバンに殺されそうになり、日本に逃げてきましたが、日本
> 政府からは難民として受入れられず、入国管理局に捕まり、1年強収容所に入れられ
>
> てました。その後出所してから国を相手取り、難民不認定取り消し訴訟(要は難民として
> 認めてという訴え)を東京地方裁判所でやってました。
>
> それが今日やっと判決が出ました。
> 勝訴です。
> 要は地裁は彼を難民として認め、日本に住んでも良いという判断を下しまし
> た。
> すごい画期的な判決です(日本は殆ど難民受入れしてないっす…)!
> 会社を抜け出して応援に駆けつけたのですが、判決の瞬間は本当に嬉しくて涙
> が止まりませんでした。
>
> ただ、道のりはまだ遠いです。
> 地裁で勝っても、国が控訴して、高等裁判所にもっていったら、またどうなる
> か分かりません。彼はもうヘトヘトです。
>
> そこで皆さんにお願いです。
> 是非彼のHP(http://www.alijane.org)にアクセスしてもらって、そこの手
> 順に従いワンクリック署名(一瞬で出来ます)に協力して欲しいのです。多くの署名が集
> まれば、国も控訴を諦める可能性が大きいです。勝負はこれから一週間です。是非協力し
> てください!!!
>
> 普段はバカばっかやってますが、今日は大マジです。
> また皆さんの回りに協力してくれそうな人がいたら以下の文章をばしばし転送
> していただけると幸いです。本当に心からお願いします。
>
> よろしくお願い致します。

> *********以下転送文*************
>
> BCCにて失礼いたします。
> アリジャン応援事務局です。
> 難民認定裁判中アフガニスタン人 アリジャンの件について速
> 報をお送りいたします。
> (彼のこれまでの経歴や支援者の活動についてはHPを参考に
> してください。掲示板への書き込み歓迎!
> →http://www.alijane.org/)
>
> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> ■ 本日、東京地方裁判所にてアリジャン勝訴
> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>  本日東京地方裁判所にアリジャンが訴えていた、法務省によ
> る難民不認定の取消について、アリジャン側の勝訴が言い渡さ
> れました。これまでアリジャンの自由のために応援してくださ
> った方々本当にありがとうございます。今後、法務省および入
> 国管理局は地裁での判決を受け控訴することが見込まれますが
> 、もしそうなると、アリジャンは今後も長い長い裁判生活を余
> 儀なくされることとなります。
>  これを阻止するためにも、法務省および入国管理局が控訴を
> しないようできる限り多くの方々から署名を集めたいと思いま
> す。集められた署名は担当の弁護士から控訴断念の要請ととも
> に当局へと提出される予定です。
>
> ___________________________
> 法務省・入国管理局による控訴断念を要請する緊急署名活動
>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
> ■署名 締め切り日(第一次): 11月13日(日) 必着
>
> いずれも、E-mail または FAX にて、下記まで、または、
> 以下のHPにアクセス頂ければ、ワンクリックで署名出来ます。
>  http://www.alijane.org/
>
>      E-mail: BZB04741@nifty.ne.jp
>      FAX : 020-4623-3130
>
>
> ▼コピーは、ここから
> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>
>  法務大臣 杉浦 正健 殿
>  法務省入国管理局長 三浦 正晴 殿
>
>
>                 要  請  書
>
>   下記、要請に賛同します。
>
> 1. アフガニスタン(ハザラ)人アリジャンの難民不認定取
> 消に係る、東京地方裁判所の司法判断(平成17年11月11日)を
> 尊重し、アリジャンを難民として認定して下さい。
>
> 2. また、同裁判の高等裁判所への控訴を行わないで下さい
> 。
>
>
>     2005年11月11日
>
>             氏  名:
>
>             連絡先:
>
>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
> ※ その他、要請の理由についてご意見などございましたら
>   以下にご自由にお書きください。
>
>
> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> ▲コピーは、ここまで。

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November 11, 2005

美名のもとで

テレビしか観ていない人の忘れているもの、それはイラクで続けられている「テロとの戦争」と言う名の大量殺戮。

この空の向こうでは、何の抵抗もできない人々が残虐極まりない方法で殺戮され続けている。

私たちのお金を使って、死の商人たる多国籍企業と石油のためにアメリカ合衆国と戦争請負会社が毎日多くの民間人を殺し続けている。そして、自爆テロに及ぶほど絶望しきった人々を毎日多く生み出し続けている。

反戦翻訳団【隠された大虐殺】ジークフリード・ラヌッチ、Rainews24(2005/11/8)

2004年の11月に行われた米軍によるファルージャ攻撃。その際に化学兵器(白リン弾)およびナパーム弾が使用されたのではないかという憶測が以前から様々なメディアで取り上げられてきましたが、米国政府は「白リンはあくまで照明弾として使用されてきた」と弁解してきました。  昨日(11月9日)イタリアのニューステレビ局Rainews24が放送したドキュメンタリー映像は、化学兵器とナパーム弾がファルージャ攻撃にやはり使用されていたこと、しかも、攻撃の対象には一般市民も含まれていたことを、各種記録映像と参戦した元米兵などの証言から立証し、その事実を告訴しました。

そしてさらに、人体の内側から焼く兵器、その名は「ウィリー・ピート」。私はまだ動画まではとても観られないでいるが沖縄でも使用されたこの兵器の酸鼻な映像も報道された。暗いニュースリンク

私はこのような残虐なことをお金のために遂行するアメリカ合衆国を許せないし、それを助けている今の日本の政府も許せないし、無力な自分にも腹が立つ。

厳然たる真実の前で自分の無力さを嘆いても何も始まらない。どうか、一人でも多くの人にこの事実を知って欲しい。「私たちは安全な場所にいて、彼らを見殺しにし続けることで殺戮を助けているのだ」。

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November 10, 2005

感情と理性

おそらく人間が生き物として生きていくうえで不可欠な感情。だが、感情はあらゆる人の社会的関係において「やっかいもの」となることが往々にしてある。
私も社会生活を送るうえで、自己の感情はもとより他者の感情に対する不理解と理不尽に悩むことがある。
感情は喜怒哀楽いずれにおいても人の判断を誤らせることも嫌というほど見つづけてきた。
特に難しいのが「怒り」であると思う。自己の怒りをどのように対処するのか。他者の怒りにどう対処するのか。

誰もがそうであろうが、怒りに任せて行動したり発言するとかなりの確率で自分を窮地に追い込んだり他者を遠ざけてしまう。だから、怒りは爆発させないようにしたいと考えるのだがいかんせん不完全なる人間であるうえに毒舌家ゆえ舌禍もまきおこす。そのたび反省。
ただ、怒りというものは人の行動の原動力ともなりうる。問題は怒りかたなのだろう。

その場の感情に任せて怒りを爆発させることは、自己の人間関係を閉塞させ、他者を無意味に傷つける。
できるだけ冷静になぜ怒りの感情を持つに至ったかを自己分析し、これこれこうだから「怒りを感じた」ことを冷静に相手に伝える(これがかなり難しいのだが)場合に、全く他人の話に耳を傾けない意固地な人は例外として相手も反省する場合が多く、対人関係を危機的状況に陥らせることなく相手からも理解されやすい。

ただし、これを行う場合にもかなりの忍耐力と冷静さを必要とするので上手くいかないことが多いことは私自身にもあてはまるし、多くの人々は自己の怒りのコントロールに苦慮する。

他方、他者の怒りに対してはどうであろうか。相手の怒りのサンドバッグとなる危険に自らを曝すことは得策ではないと思う。私自身が職場の上司による理不尽な言葉の暴力で昨年末入院し現在も通院する羽目に陥った経験から確信している。
自己の怒りを他者への暴力的な言動で直接ぶつける者から、自分の精神を守ることはそれぞれの個人にある当然の権利だろう。そういった暴言から逃げることを憶えるのも一つの知恵だ。
相手との関係性のすべてを自分でコントロールできるうちはいいが、コントロールできない場合は一旦退却することで自分の精神を守り、相手が冷静になった時点で話し合うもしくは関係を断つこと、関係を絶てない状況では心に防壁を持ちつつその相手に対処することを心がけている。できるかぎり相手の感情を慮り、相容れない人間以外にはできる限り相互譲歩する姿勢を持とうとしつつも。

さて、この間「STOP THE KOIZUMI」のなかで「共産党」の党名変更問題で多くの人々が口角沫を飛ばし激論を交わしているが、その激論自体はおおいに結構なことだと思う。論議のなかで新たな認識をお互いが持てて発展的に解消されれば。しかし、残念なことにこの議論の経過において互いに冷静さを欠き、感情的な応酬がなされてしまった。今後は論を戦わせる場合に感情的な応酬は避けていただきたい。たとえ、自分が正しくともその正しさゆえに怒りを感じようとも。善意であろうと悪意であろうと。支配層による分断を待たずして自らの内部に無思慮無配慮な言動によって分裂する危機を招きいれたこと。自己の軽率さに対して率直な反省の弁のある者と無い者がいるが、お互いが軽率だったり無配慮だったりした結果としてのものなので、できればその点は率直にお互いが謝るべきと考えている。反省の弁のみあたらない人にはそれなりの評価を私としてはせざるを得ない。人間は前からより背後からの攻撃に弱いものだから。お互いが不完全な人間であることを認めあうことなしに誰とも手を携えていけない。

また、今後多くの人々が危険な二分論に陥らないよう期待したい。
私の駄文よりも「イタリアの文筆家ウンベルト・エーコ、テロリズムの脅威を抱え込む時代における理性について語る」からの以下の言葉を引用する。

このような時代においてこそ、他者の偏見と同様、自らの偏見にも立ち向かうことを理解しなければならない。分析と批判という武器によって。

「感情と理性」

追記:これが元で共産党員もしくは共産党支持者を排除するようであればとても残念だ。互いの差異を譲り合いつつNO KIOZUMI NO Neoliberalismで一致する点ででなくNO Communismのほうに重きを置く運動ならば賛同できない。差異を認めないというのであれば、次は誰が同じ目にあうのだろうか。差異を認めない連帯であれば首にしていただきたい。

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November 05, 2005

「秘密のファイル-CIAの対日工作」

「秘密のファイル-CIAの対日工作」春名幹男著(共同通信社刊)

新井薬師駅前の古書店で上下2冊で2000円、ぶあつくてお買い得。

出だしにフリーメイソンの話が出てきたので謀略史観的なのかな?と思いつつ購入決定。
全国42紙で連載、2000年の4月に刊行されたらしい。

とりあえず、上巻を読んだ。謀略本なんてとんでもない、主に膨大なアメリカの極秘を解かれた公文書をもとに、生存者のインタビューもまじえての渾身の裏面の歴史書だった。

上巻は日米開戦前から終戦後、GHQとOSS(後のCIA)の確執から労働組合に対する介入に至るまでである。
やはりというかなんというか、日本人はこのようにして「反共親米」になっていったのかと思う。
ああ、なんということだ。

そういった状況のなかで出来上がった、日本国憲法は奇跡的に人類の未来を標榜する善意に満ち溢れた内容であることに更なる驚きをおぼえる。

日本国憲法公布を前後してCIAはマッカーシズムに先駆けてGHQのリベラルな人々を「容共」として排除しはじめる。日本の再軍備警察予備隊もその流れでつくられた。
その後60年間、アメリカは様々な方法でこの国のリベラル派と共産主義者の力を削ぐべく、工作を続けてきた。反共的な政治家や右翼フィクサー児玉誉士夫、笹川良一を利用するために責任を問わなかったこともアメリカの公文書で裏付けされている。また、後に共産党を除名された元議長野坂参三が二重スパイだったことなども明らかになっている。労働組合「総評」の幹部をアメリカに招いたりラジオ番組を作成したりと、その工作は多岐にわたる。

その結実が現在の日本の状況なのだろう。逆に見るとそいういった工作のなかでアメリカの意思に反し60年間も憲法を維持し、簡単には軍隊を他国に出さなかったのは、日本人の反戦の意識が高かったからではないだろうか。首都の人口が3分の1になるほど自国が焦土と化し、近隣諸国にいまだ癒えない加害の爪あとを残し、しかし、戦争をしてはならないという強い思いが、これほどまでの介入にもかかわらず日本国憲法を維持しつづけてきたのだろう。

戦争の加害に兵士と荷担させられた人が言っていた。「自分の見たことやったことを言えなかった」気持ち。
しかし、戦禍の辛酸を身をもって知る人々が少数になりつつある現在、アメリカによる介入を知ること無くして公正な判断はできないように思う。

本書の丹念な取材と執筆に敬服する。これこそジャーナリズム。

出版されてから時間が経過しているが、いまこの国でおこっていることにつながる日本へのアメリカによる内政干渉の歴史が明らかになっている。
今後もいくつかのテーマに織り交ぜて取り上げたい。

さーこれから下巻を読むのが楽しみだ!


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November 04, 2005

殺戮の殿堂

11月3日知人に誘われて靖国神社遊就館を2度目の訪問。例大祭と七五三でかなりの人出。

ガイドをしてくださったYさんは青春時代のすべてが戦争の時代だった。70代後半。「私たちは忘れ無い」を観て「ひどい、ひどすぎる。ほんとうのことを全く語っていない。戦没者に対する慰霊の言葉などなく、『アメリカとの関係でやむを得ず』戦争したとの言い訳ばかり」と憤慨していた。
私以外は、みな60歳以上。戦争の記憶がある人が70代兵隊に行った人が80代で1人。今回参加者のいない40代、50代は「戦争を知らないこどもたち」だった。

80代の女性Fさんが「戦争の前だってなんだって、みんな『戦争反対』だった。だけどだんだん『戦争反対』と言えなくなっていった。今の時代はあのときにそっくりだ。みんなで戦争反対といわないといけない」と語った。

靖国神社の境内で、旧日本兵の扮装をしている人を見て「戦争の犠牲になった人が眠る場所であの格好というのは無神経ではないのか」「一瞬あの時代が帰ってきたのかと思った」など不快に思う参加者多し。「私は疎開していて人が死ぬのを見たわけではない。でも、東京に帰ってみると、一面焼け野原で食料も何もなく、とてもみじめだった」。と70代の男性。

「若い人が大勢観に来ている。どんなことを思っているのか聞いてみたい。歴史を知らなければ、あっさり信じてしまうかもと思うと、こわい」と60代女性。

戦争の実態を知る人から直接話を聞ける時間はもうあまり残されていない。


殺戮の殿堂――白鳥省吾
白鳥省吾詩集『大地の愛』より(大正八年に書かれた詩だ)

人人よ心して歩み入れよ、 静かに湛へられた悲痛な魂の 夢を光を かき擾すことなく魚のように歩めよ。

この遊就館のなかの砲弾の破片や
世界各國と日本とのあらゆる大砲や小銃、
鈍重にして残忍な微笑は
何物の手でも温めることも柔げることも出来ずに
その天性を時代より時代へ
場面より場面へ転転として血みどろに転び果てて、
さながら運命の洞窟に止まったやうに
疑然と動かずに居る。

私は又、古くからの名匠の鍛へた刀剣の数数や
見事な甲冑や敵の分捕品の他に、
明治の戦史が生んだ数多い将軍の肖像が
壁間に列んでいるのを見る。
遠い死の圏外から
彩色された美美しい軍服と厳しい顔は、
蛇のぬけ殻のやうに力なく飾られて光る。
私は又手足を失って皇后陛下から義手義足を賜
はったといふ士卒の
小形の写真が無数に並んでいるのを見る、
その人人は今どうしている?
そして戦争はどんな影響をその家族に与へたらう?
ただ御國の為に戦へよ
命を鵠毛よりも軽しとせよ、と
ああ出征より戦場へ困苦へ・・・・・・
そして故郷からの手紙、陣中の無聊、罪悪、
戦友の最後、敵陣の奪取、泥のやうな疲労・・・・・・
それらの血と涙と歓喜との限りない経験の展開よ、埋没よ、

温かい家庭の団欒の、若い妻、老いた親、なつかしい
兄弟姉妹と幼児、
私は此の士卒達の背景としてそれらを思ふ。
そして見ざる溜散弾も
轟きつつ空に吼えつつ何物をも弾ね飛ばした、
止みがたい人類の欲求の
永遠に血みどろに聞こえくる世界の勝ち鬨よ、硝煙の匂ひよ、進軍喇叭よ。

おお殺戮の殿堂に
あらゆる傷つける魂は折りかさなりて、
静かな冬の日の空気は死のやうに澄んでいる
そして何事もない。

遊就館は行く度に豪華になっていく。お金をかけた映像に見入っている人々が批判的な心を失わず、英雄崇拝戦争賛美の殿堂を見抜いてくれるだろうか。

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November 03, 2005

新自由主義の誤謬

カイカクファッショの十八番「競争」。
これは、「協力」という前提を全く省みていない言説であり根本的に誤りである。

資本主義の今日の発展も多くの人の協力無くしてはありえない。
例えば、数学の大天才がいて必ず勝てる投資方法を編み出せたとしても、その人一人で生きてはいけない。
いくら金を持っていても、今日食べる米を誰が作っているのか。彼が住んでいる家を誰が建てたのか。
技術革新のいきつく先に、完全なる人工栄養物が出来てそれさえ口にすれば生きていけるとしても果たしてその大天才は幸福に生きているといえるのであろうか。

新自由主義を口にするエリート諸氏が、おいしい料理や素敵な音楽や着飾るドレスを欲しがらないならば、新自由主義は正しいのだろう。そんな人間はみたこともないが。新自由主義によるカイカクを推し進めている小泉クンだってオペラを観にいったり、おいしいイタリア料理を食べに行ったりしているではないか。
ほんとうに効率だけをおしすすめれば、そんなものは全くのムダなはずである。

新自由主義の「競争」に対抗する一番の手段は「協力」である。
お互いに励まされたり、励ましたり協力することで人間社会はここまでの豊かさを手に入れられた。
どんなに力持ちな人がいたとしても優秀な設計者がいたとしてもピラミッドは一人で建てられない。
新自由主義はエリート主義である時点で人類の進化の歴史からも程遠い。エリートだけでは、おいしいごはんすら食べられない。多様性を排除し続ければ新たなる貧困な社会が出来上がるだけだ。

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