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March 2006

March 31, 2006

「焼け野原の王(PSE法)」「飴と無恥」考

焼け野原の王「2F」大臣
29日の模様を伝える赤旗の記事によると、

二階経済産業大臣が、「もっと早い段階で、リサイクル業者の意見を聞いておけばよかった。いろんなところから声が上がり、経済産業省は“焼け野原”みたいになっているが、落ち着けといっている」と述べ、「できる限りの対応」を約束しました。

だそうだ。

PSE法に関連する大失態の連続で件のブログだけでなく経済産業省自体が炎上の憂き目に会い続けているようだ。溜飲を下げたのは私だけではないだろう。

ただ、文章を精読すると「事実上容認」は緊急避難的なお目こぼしであって、気が変わればまた対応も変わるという口約束に過ぎないことが理解できる。
PSEマークのない中古家電製品を業として売買する。ただそれだけで犯罪者になってしまうような国家。因みに罰則は、100万円(又は懲役1年以下)、30万円、10万円 法人重課税新設され最高1億円の罰金という重い罪に問われるのだ。

一応は国民が騒いだからお目こぼしますと言っているにすぎず、条文を解釈する限りにおいては中古品をPSE法の対象から外す解釈を採用するか、明確な法改正をしない限り、犯罪の構成要件には該当していることになる。法益侵害もないとはいえない。

なんということだ、わたしたちは、中古電化製品を業として販売したり、政府に都合の悪い情報の書かれているビラを撒くだけで刑務所行きになる危険がある国家に住んでいる。
30万人以上の人の生活を殺す法律を作った人々はのうのうと暮らしている。
いったいこの不平等はなんなのだ。状態を示す「格差」というより取り扱いを示す「差別」「階級」という言葉を使用するべきだろう。

「格差社会」が様々なメディアで取り上げられるようになり、「新自由主義」にもやっと目が向いてきたという状況ではあるが、「格差」が勝手に拡大したのではないことを強調したい。税制をはじめあらゆる政策において「差別的な扱い」によって政府が「格差を拡大してきた」ことは紛れも無い事実だ。

飴と無恥

◆役員給与に係る税務のアメとムチ

 平成18年度税制改正で、役員賞与・報酬に関して注目すべき改正が行われる予定です。まず役員賞与ですが、これまで原則損金不算入とされていた取扱いが、一定の要件を満たす場合は損金算入が認められることになる、というものです。役員給与のうち定時定額でないものは税務上役員賞与とみなされ、損金算入ができませんでしたが、この「定時定額要件」が緩和され、あらかじめ定められた規程等に基づく支給であれば損金算入が認められることになります。 最近多く採用されている業績連動型報酬の場合も、客観的な計算方法により計算され、かつ報酬委員会による決定等の適正な手続が採られていることなど、透明性を確保する要件を満たせば損金算入が認められます。ただし、この取扱いは同族会社には適用されず、対象は主に上場企業等になると見込まれています。 この取扱いをアメとすれば、ムチとして導入される新制度が「実質的な一人会社の役員報酬に係る給与所得控除相当分の損金算入規制」です。  今年5月施行予定の新会社法によって法人の設立が容易になるとともに、合資会社を除けば一人会社の設立も可能になります。その結果、節税目的の会社設立が増加することを課税当局が危惧し、その是正策として編み出した制度だと言われています。 規制の対象となるのは、同族会社の業務を主宰する役員やその同族関係者が発行済株式総数の90%以上を保有し、かつ常時従事する役員の過半数を占める会社ですが、さらに次のような条件もあるため、規制の対象となるのはほぼ5万社程度になる見込みです。 その条件とは、対象となる同族会社の所得等の金額が (1) 直前3年以内の事業年度の平均額が年800万円以下、及び(2)その平均額が年800万円超3,000万円以下で、かつその平均額に占めるオーナー給与の金額の占める割合が50%以下の場合は、規制の対象からはずれる、というものです。つまり、軽減税率が適用される中小零細法人のほとんどは、規制の対象からはずれることになるわけです。  しかし、東京税理士政治連盟が会員に行ったアンケート調査では、全関与先法人の20~50%が影響を受けると回答し、少なくとも48万社程度が影響を受けると試算するとともに、アンケートによる増税額は79万円強になると発表しました。

この記事は、昨日私が取り上げた同族会社(中小企業)と大企業の不平等についてアメとムチと表現している。
ただ、ここでアメとムチとは言っても、大企業にはアメで中小企業にはムチであることに着目したい。
「奥田に飴、庶民に鞭」だと思う。郵政公社の社外取締役になってあっちからもこっちからもボーナスもいっぱいよこせってことだろう。なぜ報道あまりされないのか。ひどいことが多すぎて、報道しきれないのだろうか。
国内経済が健全なほうが輸出産業以外の大企業は儲かるはずなのに、多国籍企業と一緒になって経営者たちはおこぼれに預れる。だから、自分の企業の業績の足を引っ張る経済政策が継続していてもだんまりを決め込んでいる。これじゃ資本主義ですらない。
お金持ち倶楽部による社会の私物化、蹂躙だ。

この点でも政府の作為によってこのままでは「格差」がよりいっそう拡大することは間違いない。

明日、から介護保険料の値上げも待ち構えている。雇用保険や医療費、生活保護などのわたしたちの給付は削減されて、取られる租税は増大している。その反面で、トヨタ自動車やキヤノンは法人税の減税を受けつづけ、多額の輸出戻し税を貰い、大企業に勤める役員に限って、賞与がもらいやすくなる。「格差を拡大する政策」の遂行を自民党と公明党は着々と進めている。

焼け野原になるのは、経済産業省だけでは済まないだろう。

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March 30, 2006

PSE法続報-ブレーキの無い暴走列車

明後日4月1日には実施されてしまうPSE法による家電製品に関する規制だが、実質的に中古家電製品の「検査体制が整うまで」容認するというその場しのぎ的な対応策を経済産業省が3月24日に発表したはずだったのだが、ここにきて経済産業省内部で解釈の違いから、正反対な発言が飛び出すなど更なる大混乱を引き起こしている。

中古販売実質容認報道の罠 (1/4)←長文ですが、是非ご一読ください

4/4より以下抜粋

 仮に販売店に善意がなく、PSEマークを最終的に貼らないつもりであっても、販売する前提としてはあとで検査してPSEマークを貼る約束をしなければならない。つまり、中古販売でも結局はPSEマークを付けるという前提が壊れていない限り、やっぱり中古販売業者は製造業者としての届け出をして、製造業者にならなければならないのである。

 電器製品を扱う中古販売業者は、全国に30万件あるとされている。この事業者がこの措置に則って4月1日からも営業を続けようとすると、この1週間の間で製造業者がいっぺんに30万件も増えることになる。

 こんな国があるか。

 製造業者には製造業者で、背負わなければならない重い法律が沢山ある。その代表がPL法だ。もし中古製品で事故が起こった場合は、販売店が製造業者として損害賠償責任を問われる可能性もある。いくら経産省が、それは元祖製造メーカーの責任と主張しても、実際に裁判になればそれを判断するのは裁判所だ。

 もしこれが「経過措置期間の延長」というのであれば、中古業者は製造業者の届け出をしなくても、これまでどおりにPSEマークなしの製品を販売できる。だがそうではなく、単に検査機器の不足を理由に、検査する時期を後回しにしただけ、というカラクリに気がつかなければ、一見4月からもこれまでどおりPSEマークなし中古品を販売できるかのように錯覚する。

 今回の容認報道は、大手マスコミがみごとに経産省の腹芸に踊らされている形となっている。もしこれで世論が沈静化してしまうのであれば、日本の世論というのも所詮はここまで、ということであろう。

 ただ大手マスコミの取材力によって、実際の販売店の状況もだんだん見えてくるようになってきたのも、また事実だ。そしてそれを元にもう一度PSE法中古介入の是非を考えてみると、やはりこれは1月に、中古市場を甘く見て法対象と明言してしまった、事務方の負けであろう。

 すでに流通してしまった商品を、新品と同レベルの検査基準に乗せるのは無理だ。製造業とは違い、中古のしかも販売業では、あまりにもいろんな事情が違いすぎる。やはり中古品とPSE法は、いったん切り離すと方針を改めるべきである。

 そして今回の騒動で中古市場というものがどういうものであるか、その規模も含めて学習できたことを財産に、もしどうしても必要とあらば中古電器製品のみを対象とした安全性確保のための別法を作る、というのが筋ではないかと考える。


「規制緩和」だか「構造カイカク」だかしらんが、この国はブレーキの無い暴走列車状態ではないか。
間違いがわかっているのに「決まったことだから」と、先延ばしにすらしない。目前に轢き殺されそうになっている人間が見えていても「ブレーキ踏みません」と。これは事故ではなく殺人の故意だ。

「PSE法に中古家電製品が含まれていることを国民のみなさんが認識」していたと言うのであれば、経済産業省のお役人のみなさんは「国民の安全」など言いながら、踏み潰されていく人々の生活を認識しつつを無視しているという理屈になってしまうことをわかって言っているのか?

そしてPSE法自体が3月24日になされた「事実上容認」などで許される内容でないことも明白だ。

「守らなければいいんですよ」と作った側が公言するような法律など廃棄するしか無いだろう。
そんな法律で何ができるのか。検査機関に一部の特権階級向けの豪華養老院ができるだけ。職員は派遣社員で固めて働くのは彼ら。数年奴隷を管理するだけで数千万円の退職金を懐に後輩がまた管理する。これが現代日本の搾取構造の縮図だ。

これが支配者たちだけが醜く太っていく「構造カイカク」の実績だ。

あっさりと決まってしまったオーナー課税。小さな政府?大きな税金参照

中小企業オーナーの課税強化の反面で、大企業の役員賞与のお手盛り礼賛税も通過したようだ。

役員退職給与の損金経理要件を廃止~18年度税制改正法案 役員給与の取扱いに係る法人税の規定を全面改正(2006.2.13) 平成18年度の税制改正法案の中で、法人税法改正では、役員給与の取扱いについて見直しが行われ注目されているが、定時定額要件の緩和について、本誌既報のとおり、支給額・支給時期を事前届出とすることが条文の上でも確認されたほか(No.2905)、役員退職給与の損金経理要件が廃止されることが新たに判明した。

また、実質一人会社のオーナー役員給与に係る損金算入制限、一定の業績連動型報酬の損金算入制度、等についても法律条文が明らかとなっているが、これらの取扱いは、法人税法本法における従来の役員報酬、賞与、退職給与に関する条文を全面的に見直し、「役員に対する給与を一括りにして損金不算入とするものを定める」という規定振りとなっている。

現行法では、役員に対する給与について、報酬、賞与、退職給与に分けて、それぞれの取扱いを定めているところ、改正法案では、「報酬」「賞与」という用語は使用していないことから、税法の適用上はこうした区別を行わないこととなり、実務上も、長きに亘り「役員報酬は損金算入、役員賞与は損金不算入」としてきた点について、"頭を切り換える"必要がありそうだ。

(税務通信No.2906 2頁に「詳細記事」掲載)


週間税務通信参照


政官財の癒着構造で私たち財政赤字を作りつづけてきた「お金持ち倶楽部」は税金を値下げさせてもらいますよ。財政赤字の責任は、庶民のみなさんで負ってください。私たちを選びつづけてくれたお礼にねということだ。

税制など見れば露骨に無理やり格差を広げて中産階級を解体して不安定で希望の無い社会を作る。「格差は悪いことばかりでない」と嘯きながら大企業の役員どもには税金の免除。これが「構造カイカク」の目的だということは明白。

暴走列車を止めるには、私たちがもっと監視を強めて声を上げていくしかないのだ。

次の選挙でアベシンゾーがでようがフクダがでようが、アソウがでようがこんな奴らは落選させる気概でいかなければ、本気で国民が怒っていることを遠く離れた雲のうえから鳥瞰している彼らは理解できないだろう。怒りを表明して理解させてやろうよ。

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やわらか戦車

退却ーっ!

泣けた!感動した!(笑)

さあ、そこの(冗談のわかる)愛国者諸君!愛国者なら見るべきだ!

アメリカ合衆国の帝国主義を打ち砕くのはこれしかない!世界史を塗り替える感動のネットアニメ「やわらか戦車」。

tsurezure-diaryさんのところで発見してしまった!だめだ…腹いたい。笑い死ぬ。
どうぞごらんあれ(笑)

やわらか戦車公式ブログ
ダウンロード yawaraka.m4v (3804.8K)
(ポッドキャストリンクはこちらに登録してください)
退却ーっ!

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March 27, 2006

ファシズムの最初の犠牲者は「表現の自由」

PSE法問題では大勢の国民が騒いだことで、その問題点がより多数の人に告知され、その結果「こっそり」自分たちの天下り先を作るために、製造メーカーに都合の良い法律を勝手に作って周知徹底義務を果たさなかった通商産業省は、反響の大きさに狼狽して少しだけ(メクラマシ的な)譲歩案を出すに至り、その後事実上中古家電製品の販売が可能となっている。坂本龍一さんのひっかかり「やったぞ!!!!!! We've got it (sort of)!!!!!!!」参照。

やはり、あらゆる問題の基本は「正確な情報」が国民にきちんと伝わるということが民主主義の大前提だということが今回の経過からわかる。

たとえ投票や多数決によって決定されていたとしても、少数派の意見を述べる機会が全く保証されていない場合を「民主主義」とは言わないのだ。多数決はあくまで議論したことを前提とした多数決。
少数派の意見を聞く必要が無いのであればはなから議会で討論することなど無意味だ。
これは、「少数派」とはいってもそれが未来永劫「少数派」であるとは限らないことから導かれる。

「コーゾーカイカク」という言葉の定義についての情報を全く与えられずに「コーゾーカイカク」すべきですか?とアンケートを取って、「カイカクすべきです」が多数派となったとしてもそれは民主主義とは呼ばない。
9・11選挙で行われた「ユーセーミンエイカ」だって、その内実をもっと多くの国民が知っていたらあのような結果にはならなかっただろう。

これらのことから民主主義が健全に機能するためには「正確な情報」がきちんと多くの人に知らされることが必要不可欠であるということをご理解いただけるだろう。

そして、権力を握るものにとって都合の悪い情報ほど「大勢に知られたくない」と抑圧されるのが歴史の常。いまこの国で私たちが「知りたい情報」、権力者に都合の悪い情報を知らせないようにしようと国家権力があの手この手を使って画策している。

自衛隊の官舎に入り込みビラを撒いた人々が逮捕され有罪となった事件。これは「イラク派兵」に反対する内容で劣化ウラン弾による被害や、いまではアメリカ合衆国政府自体が認めている「大量破壊兵器」などはなから存在していなかった「偽装」によってイラク侵略を行い、それに全くの無批判に憲法9条を歪めてまでも派兵した事実を知らせる内容のビラだったから逮捕され、有罪判決を受けたのだ。
たかだか、ビラを撒いたくらいで彼らは有罪になったのだろうか。いや、彼らは日本国政府の最も忌み嫌う犯罪を犯したから逮捕されたのだ。一人でも多くの人に「政府に都合の悪い情報」を知らせる罪だ。

そして、読売新聞の記者が脱税事件の報道に関連して取材源を秘匿した問題で、東京地裁が「取材減が公務員で守秘義務違反によって有罪となる可能性が強い場合に限って」ではあるが、秘匿を認めないとする決定を出した。

読売証言拒否:取材源が公務員なら認めない 東京地裁決定

 米国の健康食品会社への課税処分に関する報道を巡り、読売新聞の記者が民事裁判の証人尋問で取材源の証言を拒絶したことについて、東京地裁は14日「取材源が公務員などで、守秘義務違反で刑罰に問われることが強く疑われる場合は証言拒絶を認めない」とする決定を出した。藤下健裁判官は決定理由で「(守秘義務違反という)法令違反が疑われる取材源について証言拒絶を適法と認めることは、間接的に犯罪の隠ぺいに加担する行為」と指摘した。読売側は東京高裁に即時抗告した。

 この健康食品会社とその日本法人は、日米の税務当局の調査を受けて97年に課税処分されたと日本で報じられた。会社側は信用失墜などの損害を受けたとして日本の税務当局に協力した米政府に損害賠償を求めてアリゾナ地区連邦地裁に提訴。報道した日本のマスコミ各社の記者らは国内の裁判所で嘱託尋問され、拒絶に対してはその当否を判断するよう会社側が裁判所に求めていた。

 民事訴訟法は「職業の秘密に関する事項」についての尋問には証言を拒絶できると規定しているため、決定はまず「記者の取材源を尋ねる尋問は原則として職業の秘密に当たる」と認めた。しかし、公務員など守秘義務のある人が取材源だった場合は、民訴法の規定を適用できない「特別な事情」に当たると判断。「開示されれば、以後取材源からの協力を得ることが困難になると予想されるが、それは法令違反行為が行われなくなることを意味し、法秩序の観点からは歓迎すべきだ」とした。

 その上で、会社側が嘱託尋問で求め拒絶された21の質問事項のうち「取材源は誰か」などの質問には拒絶を認めたものの、「国税職員が記事の情報源か」など14の質問には証言するよう求めた。仮にこの決定が確定し、それでも証言を拒めば、民事訴訟法で10万円以下の罰金などの制裁がある。

 同じ報道を巡り、NHK記者の拒絶については新潟地裁が昨年10月、正当と認める決定をしており、司法判断が分かれた。この決定に対しては会社側が東京高裁に即時抗告している。【武本光政】

 ▽読売新聞東京本社広報部の話 特異な判断で、報道を制約し、国民の知る権利を損なう。

 ◇とんでもない決定

 会見した読売側の喜田村洋一弁護士は「とんでもない決定。報道機関の果たす役割をまったく理解していない。この論理が認められると、官庁が広報したこと以外は取材や報道ができないことになる」と批判した。

 ▽奥平康弘・東大名誉教授(憲法学)の話 形式論に過ぎない、訳の分からない決定だ。公務員の秩序を、非常に大ざっぱなレベルで聖域化してしまった。行政を是正するための内部告発の芽を摘み取り、積み重ねられてきた「報道の自由」の歴史を根底から覆してしまいかねない。米国でも昨年、取材源の秘匿を貫いた記者が収監されており、報道活動を抑圧する方向が見える。問題の深さを認識しなければならない。

 ◇国民の知る権利、否定しかねない

 取材源が公務員の場合にはその秘匿を認めないとした東京地裁決定は、従来の司法判断とかけ離れた独自の見解を示した。決定は、取材源が国税当局職員などの場合、国家公務員法などに基づく守秘義務に違反する可能性があることを重視。「法令により開示が禁止された情報について公衆が(知る権利などの)適法な権利を有しているとは言えない」と述べ、国民の知る権利を否定しかねない結論を導いた。

 しかし、この決定は、毎日新聞記者が外務省女性事務官をそそのかして極秘電信文を入手したとして国家公務員法違反の罪に問われた事件の78年5月の最高裁決定に反している疑いが極めて強い。最高裁は記者の有罪判決を支持したものの、「報道機関が取材の目的で公務員に秘密を漏示するようそそのかしたからといって、直ちに(守秘義務違反などの)違法性が推定されるものではない」と判示。その上で「その手段・方法が社会観念上是認されるものである限りは正当な業務行為というべき」と述べている。

 読売側は即時抗告する方針を明らかにしており、東京高裁の審理が注目される。【武本光政】

毎日新聞 2006年3月14日 21時36分 (最終更新時間 3月15日 19時52分)


また、私立大学のキャンパス内で学生などがビラ配布や立て看板の掲示をめぐって逮捕されて、その後釈放されたようだ。ペガサスブログ版参照

法政大学では、中核派の学生が29人も逮捕されたとの報道(産経新聞)を見て驚いたのだが、アッテンボローさんの「法政市ヶ谷弾圧弾劾と支援を訴える」や小泉内閣の支持率が一桁になるまでの「国民の政治に対する発言は自粛すべき?」を読んで、暗澹たる思いがした。

早稲田大学でも同じような事件が起こっている。

この国の民主主義の大前提「表現の自由」は、危機的状況だ。これでは北朝鮮を嘲うことなどできない。
ブログ界が広告メディアとして注目されはじめている今、日本国政府による介入も危惧している。

政治と社会を考えるトラックバックセンター「Under The sun」のアンケート「空母艦載機受け入れの是非を問う、岩国市の住民投票の結果を、国は尊重すべきか?」について、アンケート結果がTBによるものとクリックによるものが逆転していることを不審に思い、送られてきているTBを見ていて気がついた。

なんだこれ?

Commented by ブロガーズ・ディ実行委員会事務 at 2006-03-16 08:43 x トラックバックありがとうございました。

ブログ・ヘッドラインでは、ブログで自己アピールし、リアルで積極的に行動する人をバックアップするために「アクティブ・ブロガー宣言TBキャンペーン」を開催しています。ぜひご参加ください。
http://www.blog-headline.jp/blogger/

発起人の名前にざっと目を通してさらに「怪しい」と得意の邪推が働いた(笑)。

株式会社ネットエイジグループ 代表取締役社長 西川 潔

↑この人ってさ、「カイカク」を止めさせない!!とか言って新自由主義を推進していた「YESプロジェクト」でも見かけたよな。

目的 「投票へ行こう」という呼びかけのためのイベント 日時 2005年9月7日19:00~21:00 場所 グロービス教室(麹町101、102) 〒102-0084 東京都千代田区二番町5-1 住友不動産麹町ビル 定員 200名 会費 無料 主催 「起業家の仲間」Young Entrepreneurs' Society (YES!) スケジュール -スケジュール 19:00~ 発起人代表挨拶 堀義人(グロービス・グループ代表)

19:10~ 第1部パネルディスカッション

モデレータ: 坂野尚子 ( 株式会社ノンストレス代表取締役社長 )
パネリスト: 猪塚武 ( 株式会社デジタルフォレスト代表取締役社長 )
大久保雄一 ( 株式会社デザインアンドデベロップメント代表 )
西川潔 ( 株式会社ネットエイジ代表取締役社長 )
舩川治郎 ( デジット株式会社代表取締役社長 )

20:10~ 第2部パネルディスカッション
モデレータ: 佐藤大吾( NPO法人ドットジェイピー理事長 )
パネリスト: 北川正恭( 早稲田大学大学院公共経営研究科教授 )
鈴木寛( 民主党参議院議員 )
世耕弘成( 自民党参議院議員 )
堀義人( グロービス・グループ代表 )


-その他: 当日インターネット中継を予定しています。

ビンゴ!?スピンドクター世耕だよ!

あーそれでか…ネットを徘徊する世論操作集団?(備忘)で話題になっていた「グス」さんからも「岩国の住民投票なんて軽視していいんだ!国家権力に歯向かうなYO!」というTBが来たり。

Commented by 奈々氏 at 2006-03-21 10:42 x 誰だって、原発、基地、道路、高層マンションなんか来ては欲しくないですよ。日本全国で皆がいやな物を避ければ、多分日本そのものが相当酷い状態になります。 また、町村合併で、すぐ投票そのものが無効になる。外人も投票した。 今回の投票は疑問も多いですね もっとも基地の為被害を受ける人も多いでしょうからどうするかは別の問題です。 沖縄の基地問題でも沖縄の人と実際話すとテレビ新聞の話と違うんですね。

こーんなコメントが来たり矢鱈と※尊重する必要は無いというクリックが増えたりしたのか(笑)。ますます疑っていまいますね。個人的には邪推というか合理的疑いのほうに傾いてきました。だって露骨なんだもん。


他人事と嘲うことなどできないが、まだまだこの国では北朝鮮とは違って逮捕されても殺されたり強制収容所に送られることは無い。なんと幸せなことだろう。逮捕されても餓えて死なない。小林多喜二のように拷問されることもたぶん無いだろう。
マスメディアの「報道の自由」だってわたしたちの「知る権利」「表現の自由」に資するための自由なのだ。
刑務所に入りきれないほどの大勢で「表現の自由」を行使し続けようじゃないか。

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March 18, 2006

「福祉」の心ってなんだろう-映画「石井のおとうさんありがとう」

明治時代「福祉」という言葉すら無い時代に3000人もの孤児を救った男がいた。
その名は石井十次。
「親のない孤児よりももっと不幸なのは心の迷い子、精神の孤児なのです」。
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山田火砂子監督。現代ぷろだくしょん。昭和7(1932)年、東京生まれ。新宿精華高等女学校を卒業後、舞台女優を経て、映画プロデューサーに。実写版の「はだしのゲン」、「春男の翔んだ空」、「裸の大将放浪記」など数多くの映画を製作・公開した。初の監督作品としては、アニメ映画「エンジェルがとんだ日」がある。これは重度の知的障害者である長女とともに歩んできた半生を題材としたもの。ドキュメンタリーの「るりがくえん物語」。次回作は映画「滝乃川学園」。著書に「トマトが咲いた」がある。これは娘2人を育てながら、映画のプロデューサーとしてがんばってきた、泣き笑いの29年間をまとめたもの。福祉、教育、子育て、平和など幅広いテーマで講演活動も行っている。

山田火砂子監督のインタビューから抜粋してご紹介いたします。

「めったに取れない厚生労働省児童福祉文化財の特薦になったのよ!」現代ぷろだくしょんの事務所は明るい笑顔であふれていました。翌日から渋谷で一般公開というお忙しいなかおじゃましました。

「はだしのゲン」「裸の大将放浪記」などを制作

「現代プロダクション」の山田火砂子さんは、元舞台女優。妊娠中に投与された黄体ホルモンが原因で長女みきさんが知能障害を持って生まれ、苦労するうちに福祉について関心を深め、「自分の得意な方法で世の中を変えよう」と、映画を撮る側になりました。故山田典吾監督と2人3脚で「はだしのゲン」や「裸の大将放浪記」など数多くの社会派の名作を世に送りつづけてきました。

マリのように弾み続けの連続でもあきらめない

「芸名は麻里千亜子。人生もマリのように浮き沈みが激しかったのよ。映画というのは難しくて、ただいい作品を作ればうまくいくものではないの。億単位のお金がかかるしね。ヒットに恵まれないときに、今度は怪しい人が寄ってきて、騙されて不渡りを出して自宅も何もかも取り上げられて、どん底も味わったけど、何がなんでもあきらめなかったのよ。裁判官に自己破産を薦められても、『絶対にイヤ!』と、だだをこねるくらいにね(笑)」。

「愛」を忘れた世の人々に石井十次の思いを伝えたい

「アメリカでもヨーロッパでも大学で必ず福祉のことを教えるの。福祉というのは、同情や恵んでやることではなく、他人を思いやる、愛するということ、あたりまえのことなのよ。日本は障害のある人と健常者が別々に生活しているし、学校も別々だから他人を思いやる『愛』を忘れがちになる。だから殺伐とした世の中になると思うの。だから、日本の福祉の父と呼ばれる石井十次の映画を撮りたかったの」。
明治時代に3000人もの孤児を救った石井十次の心を伝える映画を撮りたいという一心で資金集めから始め、「石井十次に似ているから」と、お願いした松平健さんが石井十次の姿に感銘を受けて快諾。ついに昨年夏に「石井のおとうさんありがとう」が完成。各地のホールで巡回上映していました。
想いのこもった映画は人々の心を打ち、口コミとマツケンサンバの追い風に乗り大ヒット、昨年3月テアトル系での凱旋上映を果たしました。
「世の中を良くするために私もあきらめないで『生涯現役』と思い頑張って映画を撮りつづけています。

現代ぷろだくしょんにおじゃましまして、監督の山田火砂子さんにお会いする機会がありました。
元女優で現役の監督さん74歳(!)とっても元気でキュートなおばあちゃん。だがしかし、「罵声は今日の糧と思え!」と事務所に書いてありました(^^;)。 十次の娘役をしていた女優さんにお茶をいただいて恐縮しながらでしたが、山田火砂子監督のパワーには圧倒されっぱなしでした。

私は、昨年3月渋谷の一般公開を観にいきました。すごく地味な映画なのですが、実在の人物のお話をもとにしているということや、孤児や石井十次を取り巻く人の様々な態度、子供たちの健気さに涙してしまいました。
人の行為を評論するだけの口しか動かさない人々に憤ったりもしました。

予算1億円という低予算映画に、豪華な俳優陣の演技が重厚さを与えていました。

監督の山田火砂子さんは御年74歳なのですが、「世の中を変えるために映画を撮っている。これからも完成させる」とやる気の衰えない姿に石井十次の姿が重なって見えました。

石井十次という人は、福祉の父と呼ばれる人で、福祉という言葉すらない時代に3000人の孤児をひきとって立派に育てた人物だそうだ。「病人は他の人でも治せる。だが、孤児たちには私しかいない」。声なく弱い者に心を寄せ、人生の全てを捧げた姿に感慨を覚えずにはいられませんでした。

教科書に出てくる人には、戦争をたくさんやって人を殺した人とかも多いのだけれど、こいうい人物があまり知られていないのは日本の知識人の怠慢なんだよなーと思う。

新しい歴史教科書とかには、たくさん人を殺した「英雄」じゃなくてこんな人を取り上げてはいかがかな?

上手い映画ではないけれど、いろいろな気持ちがこもっている良作でした。1口1000円の協賛券の普及だけで1億円が集まり、一般公開されるほどのヒットとなったこの作品の不思議な魅力は一見の価値があります。

最初の上映は2004年8月ですから、草の根で驚異的なロングラン上映中です。
「石井のおとうさんありがとう」公式ホームページ


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March 16, 2006

希望を我らに-ヴィゴ・モーテンセンからのメッセージ

映画「ロード・オブ・ザ・リング」でおなじみのヴィゴ・モーテンセンからのメッセージがkonakijijiさんのブログsankenbunritsuで「素晴らしい人からのメッセージ」としてアップされていたので転載。
先日紹介したジョージ・クルーニーのカッコイイ発言に全く引けを取らないヴィゴ・モーテンセンのかっこよさに痺れてください。

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モーテンセンの写真が素晴らしいわけは、彼の人間性と生き方が反映されているからだと思う。彼はニューヨーク生まれだが、北欧系の両親を持ち、中南米の国々を転々としながら育った後、アメリカに戻り大学で政治学を専攻した。また、何ヶ国語もの言語を自由に操る。これらのことがどれ程彼の思想に影響を及ぼしているか分からないが、彼は世界や国内の政治・社会状況にとても敏感で、非常に正義感が強い。ネイティブ・アメリカン(アメリカン・インディアン)の権利を支援する活動家である他、社会的に意義ある活動を多々こなしている。

また、モーテンセンは、ビバリーヒルズなどハリウッド・スター達が住む裕福な地域とは離れた場所(ベニス・サンタモニカの辺り)に住んでおり、その地元のコミュニティの間でも、彼の思いやりのある行動の数々が語り草となっている。例えば、かなり以前の話であるが: ベニス・サンタモニカの辺りには、文学アーティスト達のアンダーグラウンド組織があり、才能があるのにまだ成功しておらず、苦労している若い詩人や作家達を支えていた。この組織が金銭的問題で解散に追い込まれた時、モーテンセンが、寄付金をどんと置いていって、この組織を救った。 若かりし頃にこの組織に属していた私の遠縁の者など、今でもモーテンセンをまるで神のように敬っている。(現在モーテンセンは、小規模の出版社を自ら経営し、成功していないが才能がある画家や写真家などのアーティスト達の作品をよく発掘して出版している。) また、サンタモニカのダウンタウンには、地元の人々に人気の、政治・社会問題及びアート関連の書籍を扱う小さな本屋さんがあっ た。しかし土地価高騰の為、テナント代が上昇、 この本屋の財政は苦しくなり、立ち退かなくてはならなくなった。モーテンセンは、自分のアート・ブックの発売記念サイン会を、この小さな店で開いた。本屋さんの前には長蛇の行列ができ、売り上げに大貢献した。

モーテンセンの写真展において、たまたま近くにいたドイツ人の女性と話した。彼女は言う:「モーテンセンは優れた役者だけれど、私は彼の政治的スタンスと人間性に惹かれているのよ。」 彼女はドイツでは環境保護に携わる仕事をしているということで、仕事仲間の間でも、彼の評判は高いという。

更にkonakijijiさんのエントリには彼のインタビューも掲載されている。

日本の芸能人でも、PSE法や環境問題で積極的に発言している坂本龍一さんや、平和問題で発言している吉永小百合さんやインリンさん、(彼女は台湾出身だけど)などなど、大勢の人が政治に関心を持っているし、発言している人も多いのだが、残念ながらマスメディアが積極的にそれらの発言を取り上げることは少ない。
芸能人や有名人の発言で喧伝されるのは、それが権力者にとって都合のいい場合だけと言っても過言ではないほどだ。若手のお笑い芸人さんたちにも、イラク戦争に反対する署名活動をやっていた人を私自身知っている。
だが、政治的発言が比較的多い爆笑問題などでも著書やライブやビデオ作品などではテレビでは言えない政治ネタを披露してくれる。

私のブログは、政治的な問題を扱うことが多いし、そうした現状を背景に重たいテーマも扱っているので社会の現状を悲観していると思われるかもしれない。しかし、ここでささやかだけれど発言することが未来に通じるという希望を擁いて私は駄文を書き綴っている。政治の現状に疑問を持っている人間は確実に増えていると確信している。
そして、正しい情報や多様な意見、良質な文学、映画、音楽を通じてそういった人が増える可能性も。
くだらないスキャンダルやメールだとかを垂れ流すのは、良心を持つ人々への精神的攻撃でもあるのかもしれない。
くだらないスキャンダルなど豚の餌にでもくれてやって彼らの真摯な発言をもっと私たちに届けて欲しいものだ。

ルックスやスタイル、才能、社会的影響力では彼らと私たちは比べ物にならないが、人間性とか生き方ならなんとかなりそうかな(笑)。素敵な大人でありたいね。

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March 15, 2006

民主主義ってこういうことだったのか-PSE法ビンテージ楽器を除外

朝のニュース番組でオーディオマニアの小倉氏が「真空管のアンプとかいい音がするんです!PSE法けしからん!」などと言ったのが効いたのか、世界の坂本龍一がPSE法に対する署名の賛同者に名を連ねたからなのか、周知「不」徹底を認めているにもかかわらず、「実施を延期しません」と木で鼻をくくったような答弁を繰り返していた通商産業省がここにきて急遽PSE法、ビンテージ楽器は「例外」にすると言い始めた。

PSE法、ビンテージ楽器は「例外」に(IT media News)

「PSEマーク」なしの家電などが4月から販売できなくなる問題で、経済産業省は3月14日、“ビンテージ物”のアンプなど希少価値の高い電子楽器を同法の「例外」とし、PSEマークなしでも簡単な手続きで売買可能にすると発表した。
2006年03月14日 13時47分 更新

 電気用品安全法(PSE法)に適合したことを示す「PSEマーク」なしの家電などが4月から販売できなくなる問題で(関連記事参照)、経済産業省は3月14日、“ビンテージ物”のアンプなど希少価値の高い電子楽器などを同法の「例外」とし、PSEマークなしでも簡単な手続きで売買可能にすると発表した。中古品販売事業者が中古品にPSEマークを添付する場合の手続きも簡素化する。

 新たに、ビンテージ物の機器に限り、申請を受けて審査を行った上で例外と認定し、PSEマークなしでも販売できる「特別認証制度」を設けた。

 対象は、電子楽器、音響機器と、写真焼き付け機、写真引き延ばし機、写真引き延ばし用ランプハウス、映写機で、(1)既に生産が終了しており、他の電気用品で代替不可能で希少価値が高いと認められる、(2)旧法(電気用品取締法)に基づく表示などがある、(3)取り扱いに慣れた人に対して国内で販売する――という条件にあてはまると認定された場合。例外申請の方法や審査基準の詳細については今後詰めるとしている。

 PSEマークは、中古品販売事業者でも製造事業者として登録し、自主検査を行えば添付できる。経産省は、添付に必要な届け出書類を簡素化するほか、全国500カ所以上で検査を受けられる体制を遅くとも6月までに整え、中古事業者の負担を軽減するとしている。

 製品技術基盤機構などで検査用機器の無料貸し出しを行うほか、電気保安協会などの協力を得て今後半年間、出張検査サービスを無料で提供する。都道府県や市町村の公設試験所にも受託検査の実施や機器貸し出しなどを要請し、民間団体にも協力を仰ぐ。

 相談窓口体制も強化するほか、新聞やテレビで告知したり、パンフレットを配布するなど、周知に取り組むとしている。

 PSE法については、経産省の中古事業者に対する周知が不徹底だった上、新品では代替の効かないビンテージ物の楽器や、旧法で安全性を担保された機器も販売できなくなるなど問題点が指摘されており、中古事業者や消費者から反発の声が上がっていた(関連記事参照)。

羊のように大人しいと思っていた国民が大騒ぎしたことで、通産省も対応策を考えざるを得なかったというのが実態だろう。

「特別認証制度」の新設だが、また「民間」に請け負わせることにして天下り先が増えるんじゃなかろうかと邪推したりもするし、それで廃業したリサイクルショップや投売りした中古品販売店の経済的損失が消えてなくなるわけではなく、「規制緩和」「民営化」の名においてこうした新たな利権を作りつづけている実態が変わるわけでもない。中古品業者だけではない。その利用者のための施策も必要だ。数え上げればきりが無い。まだまだ問題山積。安心するには早すぎる。PSE法は廃棄を目指すべきだろう。

ただ、今回のことで国民がちゃんと監視して声をあげ、メディアがそれを伝えれば、「政治は動く」という、民主主義にとってとても大切なことを学んだ人も多いのではないだろうか。

「署名してもムダ」だとか「声をあげてもムダ」だという言説自体の持つ政治性を目の当たりにした。
支配者というものは、民衆が知り、怒り、声をあげることに敏感であるからこそ、情報を操作し、「日本人は大人しい」「何もしない」という言説の流布や、マスメディアを使って自網自縛する民の製造にやっきになっているのだ。

正しい情報と1人でも多くの人が考え行動することで、政治は間違いなく変わる。イラクへの自衛隊派兵に反対した人々の声は無視されたままだが、まだまだ私たちの騒ぎ方が足りなかったのだ。

イラク派兵に反対しながら今のままの自民党に投票している人もいたのだろう。それは「本気」で怒っているわけではないと甘く見られたのだろう。

「税金をどうやって工面しようか考えているこの時期に『あんなバ○』が税金から高い給料を貰っていると思うとむかっ腹が立つ」と言った女性がいた。私も「クソ腹が立ちますね」と返した。


マスメディアの垂れ流す「タイゾー結婚」などという甘美な消費アイテムに酔い痴れるのをやめて、もっと重要な事象に目を向けよう。わたしたちの世界を変えることができるのはわたしたち自身をおいて他にはない。

暗いニュースリンク」でジョージクルーニーのカッコイイ言葉が紹介されていた。彼の言葉に正直痺れた。

結論を言おう。どんなことになっても、自分の政府に質問することは、単なる権利ではなくて、国民の義務なんだよ。言論の自由を主張しておきながら、振り返って「でも私には酷いこと言わないでね」なんて言えるわけないだろう。大人になって、攻撃を受け止めようじゃないか。俺はリベラルだ。さあ攻撃してくれ。

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March 06, 2006

PSE法-施行以来事故激増(アンケートも実施中)

まだまだ勉強不足の感は否めませんが、PSE法施行以来家電製品の事故が激増していたという記事を発掘しましたのでお知らせ致します。

2月20日付けしんぶん赤旗によると、「家電事故が激増 01年に安全規制緩和 00年647件→04年1024件」ということで、「電気用品安全法」といいつつ規制緩和した影響で、事故が増加していることも明らかになった。

これは独立行政法人・製品評価技術基盤機構が発表した数字だ。天下りさんがいっぱいいるところだが、数字は誤魔化せないのだろう。

やれやれ、この法案の問題点に気づいていたのが共産党だけって…他の政党は税金から政党助成金もらっているんだからしっかり調査して欲しいものだ。

まずは私たちがダラケタ政治家たちをしっかり監視しないといけないということでしょうか。
電気用品安全法(PSE法)に対する署名はココからどうぞ。

意思表示をしたい方々には、TBとクリックによるアンケートを「Under The Sun」で行っていますのでご意見よろしくお願いいたします。

TBアンケート
クリックアンケート

私としては、問題だらけのPSE法は廃止を望みますが、とりあえず期間を延長して対策を検討して欲しいということでTB送ります。

追記:う!間違って古い記事をTB送ってしまいました(大汗)。たいへん申し訳ございません。
   いらないTBは容赦なく削ってやってくださいませ。

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March 05, 2006

小さな政府?大きな税金

『PSE法に見る「新自由主義の影」-PSE法に対する署名にご協力お願いいたします』でも少し触れたが、なかなか政府のやることに反対しない「日本税理士会」すら反対するような法案の審議が現在の国会で進んでいることをご存知の方は少ないようだ。

お年よりの増税は、年金控除の20万円、老年者控除50万円、配偶者特別控除のあった人は更に38万円と、国税だけで約11万円少々、住民税や国民健康保険を併せると23万円に及ぶ大増税が「庶民大増税はしません!」と言っていたコイズミ内閣で既にやられているのだが、年収2000万円以内の全ての人にかかわっている増税、私たちの税金が、2割増し「定率減税廃止」も規定のことのように報道されているのが解せない。
消費税増税についても、「私の任期中はやりません!」とか言っていたが既に消費税の「免税点引き下げ」で200万人の中小業者が今年から納税することになっているのは「増税」ではないとでもいうのだろうか?

彼らの言う「小さな政府」実現のために「公務員を減らす」と言っていても、大企業を規制緩和して国民や中小業者の負担を増やしたあげくに管理職的な公務員は「PSE法の検査機関に天下りが山盛り」して民間人になっている。
現場で働く公務員のみなさんはどうなっているかというと、大企業を減税して中小業者から取り立てる消費税を増やしたので事務量が凄まじく増え、それに対応するために「派遣やアルバイト」を増やして労働条件最低ラインの「人件費が増大」しているようだ。

どうあっても庶民の負担ばかりが増えて「三方一両損」などではなく私たちの「一方的大損」でしかないことに気づいていない「善良な市民」のみなさんは、メールが偽者だったことに気を取られて自分のことも省みない。もっと自分より弱い者の事など自宅の台所にいるゴキブリに対してより関心がない。

さて、思いを吐き出して少しすっきりしたところで本題です(笑)。

税理士会までもが大反対する増税法案、それはいわゆる「オーナー課税」。即ち、「特殊同族会社の課税強化」だ。48万の中小業者が大増税にさらされるわけだ。PSE法といいオーナー課税といい、よっぽど中小業者を潰したくて仕方が無いらしい。詳細については、 「税金まにあ」木村税務会計事務所さん(美貌の熱血税理士さん)の「稀代の悪法?平成18年度税制改正「役員給与の給与所得控除相当額損金」やOffice141石井会計事務所「錯乱の税制-サラリーマン法人潰し?」「中小企業48万社が増税に?」をごらん頂きたい。

重要部分を引用すると

● 報道されない影でとんでもない改正が!

去る平成17年12月15日、平成18年度税制改正大綱が発表されました。

新聞やテレビの報道では、税制改正については、納税者全般にかかわること(定率減税、酒税、たばこ税に関すること等)のみクローズアップされていますが、実は、同族会社の経営者を直撃する新設規定が、税制改正大綱の中にひっそりと盛り込まれていました。それが「役員給与の給与所得控除相当額損金不算入」です。

「一定の同族会社のオーナー経営者の役員報酬については、給与所得の概算経費相当額については法人税を課しますよ」という改正です。

平成18年1月17日に発表された税制改正要綱(閣議決定)には、このように書かれています。

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同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等が発行済株式の総数の100分の90以上の数の株式を有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占める場合等には、当該業務を主宰する役員に対して支給する給与の額のうち給与所得控除に相当する部分として計算される金額は、損金の額に算入しない。ただし、当該同族会社の所得等の金額として計算される金額(※)の直前3年以内に開始する各事業年度における平均額が年800万円以下である場合及び当該平均額が年800万円超3,000万円以下であり、かつ、当該平均額に占める当該給与の額の割合が100分の50以下である場合には、本措置を適用しない。

(※)筆者注…所得の金額と所得の金額の計算上損金の額に算入された当該給与の額の合計額のこと

オーナー課税問題について最大の問題点は、一部の中小業者を狙い撃ちする不平等な税制ということにつきるだろう。キヤノンやトヨタ自動車やオリックスならどれだけ利益をあげても、社長の給料を上げても増税しないが、中小企業が利益をあげるのはけしからんと、税金で弱い者を叩いているのだ。

これについて「東京新聞」は、「オーナー課税 ひずみは放置できない」として税理士会が反対する理由を「税理士の顧客が減ることを懸念しているのではないか、と思わざるをえない」としている。
私もできないくらいの邪推ではないか。

個人事業主やサラリーマンに比べて有利な税制がおかしい。としているのだが、サラリーマンには給与所得控除があるし、青色申告には65万円の特別控除もある。

サラリーマンと違ってオーナーや個人事業主は、事業税や消費税といったサラリーマンには無い税負担も負っていることを忘れてはならない。

そもそも、一人あたり38万円の基礎控除自体が生活しているだけで「担税力あり」としている実態に無理があるということを給与所得控除や青色申告特別控除や白色申告の専従者控除などで重すぎる税金にならないようにしているものなのだ。

いろいろと複雑な税制度をこねくりまわしてきた側が言う「不平等」は、低いほうに合わさられて私たちが損させられる構造に何の違いも無い。

自民党政権を支えつづけてきた中小業者ではあるが、都市に住む大企業勤めのサラリーマンだけを相手にすればいいやという考えの透けて見える「コイズミタケナカ型」の「新自由主義施策」を続けていけば、格差を放置するどころか拡大する気満々の税制度に目を向けなければこの国の格差は「一概に悪いとは言えない」状況を遥かに超えて、個々人の生活の破壊による国内経済や社会の破綻に繋がっていく。

彼らはこれに気づかずにやっているのではない「頑張った人を応援する!」ため?だけにやっているのだ。

あいつが俺より優遇されるのは気に食わない!と平民同士があほな喧嘩をすることで笑う人間は誰か。小異を捨てて手を携えることが未来の鍵ではないだろうか。

未来を考えるTBセンター「Under The Sun」でご一緒に未来を考えてみませんか?

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March 04, 2006

格差と多様性-「障害者自立支援法」考

格差が広がっていることを「いいことだ」と実態の検証もないまま断言することに違和感を感じない人々。
彼らがコイズミやヘイゾーらとともに多くの人々の底辺の生活を更なる奈落に陥れている。

Tさんは74歳。今年37歳になる一人娘Kちゃんは重度の知的傷害。現在自宅から1時間ほどの施設に入所している。
Tさんが元気だった頃は、娘と同居していた。自宅までボランティアの人や福祉関係者が訪問して何かと世話を焼いてくれたりKちゃんを遊びに連れて行ってくれたりしてくれていて、Kちゃんは多少は自分で動いたり笑ったりしていたそうだ。

だが、Tさんが年老いていくに従い、自分でKちゃんをお風呂に入れたりの世話ができなくなり、泣く泣く「自分にもしものことがあっても大丈夫なように」と、養護施設に入所させた。
最初は、施設にも余裕があり、職員のみなさんも懸命にやってくれていたので、Kちゃんの将来に不安を感じることは無かったそうだ。

だが、「構造カイカク」や「規制緩和」が叫ばれ始めた頃から福祉政策がだんだんとおかしくなってきた。

まずは、職員が減らされ労働条件が悪くなり始めた頃からKちゃんはベッドに寝かされている時間が増え、感情表現も減っていった。
それでも、年老いて自分で引き取って面倒をみることは出来ない。彼女は寂しそうに言った。

そして、じわじわと弱者切り捨ての「優勝劣敗」思想が彼らの生活を侵食していく。
彼女は年金に加入していなかったので、夫の残してくれたアパートからの収入だけが頼りだ。収入が増えたわけではないのに、老年者控除の廃止で今年の税金は去年より3万円ほど増えた。住民税や国民健康保険料を合わせると6万円にはなるだろう。

国民健康保険も均等割りは上がりつづけ、年所得が200万円にも満たない彼女は以前より暮らし向きが苦しくなってきたそうだ。

そして、以前は無料だった重度障害者の施設内での自己負担も「見直し」の掛け声でじわじわと増えている。
彼女の年齢であれば、以前無料だった医療費も有料化され、更なる値上げがメール騒動の裏側で着々とすすんでいる。

そして、4月から「障害者自立支援法」が施行され、「契約」の意味の理解すらできないKちゃんは施設と後見人を通じて「契約」することになり、ここでも様々な施設や施策が「民営化」される。

「私にもしものことがあっても安心だ」と思っていたはずの施設にずっと入っていることはできなくなるそうだ。

Tさん:「何でこんなふうになってきたのだろう」。
私:「障害者問題や医療だけでなく9月11日の選挙以来いろいろな面で同じようなことが起こっていますよね」。
Tさん:「私は障害者や老人に冷たい自民党になんて投票したことが無い。誰が投票するんだろう」。
私:「この国の50%を少しだけ超える人々が投票しただけで議席を3分の2も自民党が獲得した。2人に1人の人が障害者や老人のことを何も考えずに投票した結果だともいえますよね」

Tさんは最近からだの調子が思わしくない。障害者福祉が「市場化」され、彼女の娘の将来に重大な不安を感じている。

彼女たちをじりじりと追い詰めているのは、何も新自由主義を標榜する支配者たちだけではない。
喜んで殺しているやつらだけではない。支配者の言葉に振り回されて無邪気に殺戮に荷担した人が2人に1人はいたということだ。

騙す者騙される者。必ずしも騙される者の血だけが流れるわけではない。
コイズミのノタマウ「頑張った人を応援する」とは、彼らの負担を増やし、給付を減らすことで「節約」したお金を「頑張っている」トヨタ自動車やキヤノン販売の減税財源とするということなのだ。

障害者自立、国が目標値 施設入所を1万人減
2006年02月09日17時34分朝日新聞

 厚生労働省は9日、4月からの障害者自立支援法施行に伴って都道府県や市町村が定める「障害福祉計画」のもととなる国の基本方針をまとめた。障害者施設の入所者約15万人を11年度までに約7%減らすことや、精神科病院の入院患者の5万人削減、現在年間2000人の新規民間雇用を4倍に増やすなどの数値目標を初めて設定。障害者が地域で暮らせるようにする「脱施設」の姿勢を鮮明に打ち出した。自治体が今後、この計画に基づいて必要なサービスの基盤整備を進める。  厚労省が昨年10月に行った実態調査では、障害者施設の入所者は身体障害者3万9500人、知的障害者10万1800人、精神障害者4500人の計14万5800人。基本方針はこのうち1万人を11年度までに削減するとしている。  精神科病院の入院患者については、受け入れ環境の整備など条件が整えば退院できる人を約7万人と推計、うち5万人を退院させるとした。退所・退院者は、地域のグループホームや一般住宅などに移ることになる。  障害者の雇用は、昨年6月時点で58%の企業が法定雇用率を達成していないなど進んでいない。NPO法人などと雇用促進のネットワークをつくって職業紹介や訓練をしている自治体もあり、基本方針はこうした取り組みで雇用増を求める。  障害者自立支援法は障害によって異なる福祉サービスを一本化。都道府県や市町村に、施設数や必要なサービス量を盛り込んだ3年ごとの障害福祉計画をつくり、サービス提供態勢を整備するよう求めている。  今回の国の基本方針はこの計画づくりのもとになるもので、自治体には計画達成のために目標値を超える入所施設の指定拒否や、入所施設をグループホームに建て替える際の助成、ホームヘルプサービスなどの充実を図るなどの施策が求められることになる。  これまで障害福祉予算の多くは施設に使われ、精神障害者向けのグループホームのある自治体も3割以下。このため施設で長期間過ごす障害者が多く、グループホームなど地域で暮らす「脱施設」が欧米諸国に比べ遅れていると指摘されてきた。02年末に閣議決定された「新障害者プラン」でも「入所施設は真に必要なものに限定する」として「脱施設」の方向性は打ち出したが、家族が施設を希望するケースも多く、その後も施設入所者は増え続けていた。  障害者自立支援法は、自立した生活に必要な福祉サービス提供などが目的で、障害者が地域で安心して暮らせる「ノーマライゼーション」の考え方に沿ったものだが、自己負担をサービス利用量に応じた「原則1割」とする点に障害者団体などが反発していた。

人の命にかかわることを「目標値」として数字であげて「削減」すること自体に違和感を憶える。反発しているとだけ伝えるのは、問題点を相対化するだけで何の価値判断も示さない。
「障害者団体などが反発しているそうです」。客観報道というよりは傍観報道。
そして、マスメディアだけでなく多くの人々も社会的弱者に対して傍観を決め込んでいるのだろうか。
昨日うちに来たA新聞勧誘員が「メール問題なんて興味ないですか」と連れにのたまっていたので、横から「メールの真偽」などというくだらん問題ばかりやってる新聞なんて読む価値無いんじゃと言いそうになった。

TさんやKさんが笑顔でいられる世界を構築するのはわたしたち自身だろう。
少しだけ関心を持って関わることしか出来ないかもしれないけれど。

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