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December 2006

December 11, 2006

私たちは操作されている-小泉内閣過剰広報予算

[過剰広報予算]小泉メルマガ、官邸HPに年間7億円超

 社民党は8日、小泉純一郎前首相が国民に直接訴える有力な手段だった「小泉内閣メールマガジン」と首相官邸のホームページ(HP)の制作・運営費が年間7億円超に上ることを公表した。同党は政府主催のタウンミーティングの経費問題とあわせて「小泉人気を支えた過剰な広報予算」と批判している。
 内閣広報室によると「官邸からの情報発信及び情報収集分析経費」は02~06年度の5年間、最少7億2055万~最大7億7543万円。メルマガは小泉政権発足間もない01年6月からスタートし、首相や閣僚のメッセージなどを配信。ピーク時の02年1月には227万部に達した。安倍内閣でも引き継がれ、現在は160万部。
 HPやメルマガの制作・運営は随意契約によって民間のHP制作会社などに委託。同広報室は高額な理由について「HPは日本を代表するサイトで注目度が高く、セキュリティーなどの面で万全を期している。メルマガも個人情報などの管理が不十分とならないよう、必要な経費を計上している」と説明する。
 一方、この問題を指摘した社民党のHPは、日々の更新を党職員がやっていることもあり、運営費は年間数十万円程度という。記者会見で福島瑞穂党首は「1日当たり200万円になる。税金を使ってジャブジャブと自分たちの政策を垂れ流している」と批判した。【谷川貴史】

2006年12月08日21時31分(毎日新聞:livedoorニュースより)

以前から、小泉内閣のメールマガジンなどに掛けている予算が過大であるということを感覚的には理解できていたのだが、いかんせんHP作成などが具体的にいくらなのかなんてことは見積もれないので、「使いすぎじゃないのか」という抽象的な指摘に留まっていた。
はてなブックマークで最近の人気クリップを眺めていたところ、とうとうある程度具体的にWEB+メルマガの見積もりを試算している12月9日の「音極道茶室」さんの「首相官邸WEBサイト+メルマガで7億2千万はありえない」を見つけた。


一人当たりの工賃で考えるとやや高めという印象だろう。
「でぃべろっぱーず・さいど」さんの「システムの価値はどうやって測る?」

「くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記」さんの■[society]首相官邸WEBサイト+メルマガで7億2千万はありうるか?

 タウンミーティングも官邸webもメルマガも、問題は国費を7億円もかけて政府がそういう仕事*6をするべきかって事で、コスト積み上げ法で7億円の内訳を精査する事じゃないんだと思うんだけど?(会社で言うと赤字でひいひい言って給料もろくに払えない*7のに株主総会対策に何億円もかけるような....)

ただ、広告代理店に払う広告費としては格安なのではないかということだった。

個人的にも高すぎるという感覚的な疑問をはじめは持っていたのではあるが、こうして様々な見解をみてきて気がついた点がある。「高いか安いか」、社民党のホームページの維持運営にお金をかけていないこととの比較というのは非常に分りやすい問題であるので、飛びつきやすいのだが、金額だけが一人歩きすると、根本的な問題を見落としてしまう危険性を感じた。

大事なことはタウンミーティングのやらせ問題と同様に、国民内部で見解の分かれる政治的問題を、特定の意見を有する政府与党の推し進めたい方向に国民を操作するために税金を使って広告代理店に依頼して一方的に「その政策を売り込む」ということが民主主義に反しないのかということだ。
民主主義においては、意見の分かれる政策については言論によって論議して合意を形成することが必要である。
この過程を嫌い、税金を使って美しい言葉で飾り立てて世論を操作することを認めるのであれば、主権在民なんて有名無実だ。民主主義なんて画餅だろう。
民意を問うということ自体が、はなから無意味ということを認めるかどうかの問題になるだろう。大金を掛けて、世論を操作すること(実際にそれが行われていることは間違いないのだが)を、無批判に肯定するのだとしたら、形だけ民意を気にしているふりなんかするよりも、「こう決めましたから」で押し付けていく独裁や全体主義のほうがもっとお金もかからず効率的ということになってしまわないだろうか。民主主義の根本問題を一人一人が考え直す時期に来ているのだ。

私たちが、不完全でも面倒くさくても民主主義に価値を認めているのは、暴走する権力を縛る手段として、その迂遠さも含めて穏健で妥当な結論に至る民主主義というシステムを評価しているからではなかったのだろうか。

それまでは、中曽根だって橋本だって、やりたくても恥ずかしくて出来なかったくらい露骨な民衆操作の手法を恥ずかしげも無く使かうという、小泉内閣からはじまって安倍内閣に至る政治的変化のなかで、防衛庁の省への格上げ(と同時に海外派兵を当然の前提として自衛隊ではなく実質的な軍隊とする)、共謀罪、教育基本法の破壊、大増税、憲法改悪につながる国民投票法、医療費の大幅値上げ、ホワイトカラーエグゼプション(残業代未払いの合法化)等等、どれをとってもこの内閣の目指しているのが、一人一人の国民のための政策でなく、一部のお金持ちや多国籍大企業のための政策であることは明らかなのに。これら私たちが損するような政策の数々を、情報操作によってしかも税金で私たちに押し付けているという事実を直視する必要がある。

政府の財政赤字のために増税すると言っておきながら、税収があがると、「大企業を減税せよ」と言うあたりから本音を見抜けないほうがどうかしている。
その7億円のうちからバイト代を貰っているのではないかと疑われるネットゴキ(チームセコイ)どものよく言う「そんなに日本が嫌いなら出て行け」という言葉を、キヤノンとかトヨタに向かって言ってくれ。ヨーロッパでは普通に負担して商売が成り立っている程度の税金を払いたくないのであれば、日本で商売しなければ良い。税金が高くて商売にならない国で、世界有数の多国籍大企業になれましたってありえないだろう。これでは、大企業による国民に対する恐喝行為だ。その矛盾を言葉にしなければならないこと自体にうんざりする。

思考的怠惰と「わかりやすさ」の罠に陥って国家が個人の判断を操作すること自体の危険性を無視するとしたら、その先にあるのは、ファシズムと戦争によって財産だけでなく命まで身包みはがれる未来しか残されていない。

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